:珍しい本をいくつか

 最近オークションやネット古本屋で、私家版的な本やふだんあまり見ない雑誌を買いました。東京の古書市でもない限り、なかなかこうした本は店頭では見つからないものです。
小牧健夫『暮潮詩抄』(小牧博士古希記念詩集刊行會、昭和28年12月、1000円)→三百部限定。前半は学生時代の七五調の詩だが、抒情的な優しい詩が多い。
川路柳虹『石』(川路柳虹詩集『石』刊行会、65年4月、500円)→最晩年の詩を集めたもののようだが、昔の抒情的な詩風とは異なって、諧謔味が感じられる。
『上田保著作集』(上田シズヱ、昭和50年7月、960円)
「新詩潮 菱山修三特集」(新詩潮社、昭和46年8月、710円)→没後の特集。菱山修三がなぜ戦前もてはやされながら突如として顧みられなくなったかの原因がようやく分かった。
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 先日奈良の古本屋をまわったとき、J書林で見つけた下記の本は、ずっと探していて、本当に出版されているのかどうか疑っていた本で、とても嬉しい。
富士川英郎『讀書散策』(研文出版、03年3月、2000円)→限定500部。以前オークションで落札できなかった私家版三分冊の「思出の記」が収録されている。

 奈良ではほかにT書店で、
北嶋美雪編訳『ギリシア詩文抄』(平凡社、94年6月、600円)→柔らかでやさしそうな訳文。
池内紀『異国を楽しむ』(中公新書、07年2月、400円)
を購入。

 
 オークションでは、いつも詩の本を出品されているところから、下記の三冊を購入。
日夏耿之介『耐病秘記』(東峰書房、昭和18年3月、500円)→先日買った歌集『文人畫風』で『耐病秘記』のことを知った。短歌や俳句がたくさん載っている。
粕谷栄市『鄙唄』(書肆山田、04年10月、680円)→死や高齢を意識したどこか民話風の不思議な味わいの詩が満載。
ジャック・レダ水谷清訳『哀歌調のカランドリエ』(舷燈社、95年1月、300円)
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