:古本買い欲減退か

 何度も書くことですが、歳とともに、本に対する好奇心も所有欲も薄れてきたと見えて、なかなか本を買うところまで行かなくなりました。以前は安ければ手あたり次第といった感じでしたが。この調子だと、ブログのタイトルも「古本ときどき音楽」から「ときどき古本まれに音楽」に変更しないといけなくなりそうです。そのうち「まれに古本」になり、最後は無題で消滅ということになるのでしょうか。

そんななかで、今回の収穫と言えば、オークションで、私にすれば高額の下記の本を思い切って購入したことです。
CHARLES GUÉRIN『L'HOMME INTÉRIEUR』(RENÉ KIEFFER、1926年1月、3500円)
シャルル・ゲランは廣瀬哲士『新フランス文学』で新古典派として紹介されていましたが、あまり印象に残っていない詩人。Gallicaというネット図書館でちらっと読んでみると、ローデンバッハを思わせる静謐な詩句が目を引いたので購入。読むだけだとネットで充分ですが、この本はルネ・キフェールの「L'Amour des Livres(書物愛叢書)」の一冊で、挿絵もあるし活字も雰囲気があったので。

 
 ほかにオークションでは、安かったので下記。
富士川義之『英国の世紀末』(新書館、99年12月、200円)→ご存じ富士川英郎のご子息。

 ネットでは、「日本の古本屋」で、
W・デ・ラ・メア柿崎亮訳『デ・ラ・メア幻想短篇集』(国書刊行会、08年5月、1800円)→このところデ・ラ・メアを集中して読んでいるので。

 恒例、会社OB麻雀会の途上、堺筋本町T書店にて、
渡辺照宏不動明王』(朝日選書、88年1月、410円)→最近仏像に凝ってきた。著者晩年の著書で、不動明王についてだけでなく、宗教全般についての広い視野のもとに書かれているようだったので。
中木康夫『騎士と妖精―ブルターニュケルト文明を訪ねて』(音楽之友社、昭和59年3月、410円)

 別の日、いずみホールのコンサート(既報)へ行ったついでに、天神橋筋商店街の古本屋を回りました。欲しい本が見つからず、手ぶらで帰るのもしゃくなので、最後のY書房で1冊。
ピエル・ロティ佐藤輝夫譯『アンコール詣で』(白水社昭和16年4月、500円)→状態がきれいだったので買ったが、後で調べると中公文庫で出ていたのだ。しかも古本だと100円。