2015-01-01から1年間の記事一覧

:村松嘉津引き続き二冊

///村松嘉津『帰佛日記』(六興出版社 1949年) 村松嘉津『日佛の間に在りて』(東文館書院 1979年) 引き続き村松嘉津を読んでいます。今回はかなり毛色の異なった二冊。 『帰佛日記』は昭和15年ドイツ軍のフランス侵攻を機にフランス人の夫と別れて日本に…

:たにまち月いち古書即売会ほか

下鴨神社古本まつりへ行ったばかりなのに、うろうろしているうちにまた何冊か買いこんでおりました。恒例OB麻雀会の日、行きは堺筋本町T書店にて、 安永壽延『日本のユートピア思想―コミューンへの志向』(法政大学出版局、71年11月、216円)→コミューンとい…

:村松嘉津の二冊

函中村松嘉津『フランスに生きる』(白水社 1961年) 村松嘉津『ヴェルサイユ春秋』(創元社 1957年) 村松嘉津のことは学生時代はまったく知りませんでした。よく覚えてませんが、古本仲間から教えてもらったのか、いつ頃からか集めるようになりました。初…

:世界紀行文學全集『フランスⅡ』

世界紀行文學全集『フランスⅡ』(修道社 1971年) 『フランスⅠ』に引き続き、三段組442頁の大部の本を読みました。この本でもっとも惹きつけられたのは、新感覚派的文章が冴えている岡本かの子、ミシュレを引きながら歴史への熱情を感じさせる中村光夫、物語…

:下鴨納涼古本まつり報告

遅ればせながら初日の11日に行った下鴨古本まつりの報告です。9時半に会場に着き、ぶらぶらした後、例年収穫のあるK文庫の前で待機しました。それぞれお目当ての店があるようで、私の古本仲間はS堂の前で待機。 さっそく、K文庫で下記二冊をゲット。 赤尾兜…

:Robert Margerit『Mont-Dragon』(ロベール・マルジェリ『モンドラゴン』)

Robert Margerit『Mont-Dragon』(La Table Ronde 2006年) この作家は、昔ラルースの現代文学事典をぺらぺらめくっていた時に見つけた作家で、エキセントリックで熱狂的な人物が登場するといった紹介で興味を持ちました。3年前パリでの本買いツアーで購入し…

:久しぶりに神保町

学生時代から続いている夏合宿があり、千葉房総半島まで行って昨日帰ってきました。帰りがけに神保町に1時間半ほど立ち寄りました。 駆け足でまわったので、店は5軒ほどしか行けませんでした。V、K書店、T書店、O書店、古書K。 Vは、品ぞろえが豊富で値段も…

:世界紀行文學全集『フランスⅠ』

世界紀行文學全集『フランスⅠ』(修道社 1972年) 長年本棚で温めている本のなかで、三段組400頁以上もある重圧感から、もう死ぬまで読まないだろうと思っていた本を取りだして読んでみました。世界紀行文學全集は6冊しか持ってませんが、どれも読んでおりま…

:旅の本つづき『放浪旅読本』

種村季弘編『放浪旅読本』(光文社 1989年) いろんな旅の記録を集めたのを読んでみました。といっても「放浪旅」というのがテーマなので、普通の旅とは少し違っています。「放浪」というからもう少し呑気なぶらぶら旅を予想していましたが、力いっぱい出し…

:ようやくアスタルテ書房へ

一昨日、アスタルテ書房へ行ってきました。開店時間の2時半に到着しましたが開いていず、また空振りかと猛暑の中しばらく道で見張っておりましたら、それらしき人が建物の中に入って行ったので、少し間を置いて店に入りました。その後すぐお客さんが続々と入…

:ヴィエニアフスキを聴く

久しぶりに音楽の話題。先週末、大阪でヴィエニアフスキのヴァイオリン小品のコンサートがあり、珍しいことなので出かけました。 ヴィエニアフスキは、ひと頃、ヴァイオリン協奏曲の1番と2番を、例によってギトリスの演奏でよく聴いていました。2曲ともすば…

:旅の本二冊

///玉村豊男『旅する人』(中公文庫 1995年) 池内紀『異国を楽しむ』(中公新書 2007年) 今年は町内会の役をおおせつかっているので、長期旅行は何となく行きにくく、せめて読書で気分を味わいたいと、旅の本を読んでみました。旅行そのものを考えた本から…

:Régnier『Esquisses Vénitiennes』(レニエ『ヴェニス風物誌』)初版入手ほか

挿絵本熱がまだ続いています。オークションで標記の本を落札しました。 Henri de Régnier/ Maxime Dethomas挿画『Esquisses Vénitiennes』(L’ART DÉCORATIF、1906年4月、1600円) かなり傷んで状態がよくないので安く落札できたのだと思います。ぼろぼろの…

:Aloysius Bertrand『GASPARD DE LA NUIT』(アロイジウス・ベルトラン『夜のガスパール』)

Aloysius Bertrand『GASPARD DE LA NUIT―Fantaisies à la manière de Rembrandt et de Callot』(Les Fermiers Généraux 1956年) カロの版画について読んだ延長で、「レンブラント、カロ風の幻想曲」という副題を持つ本書を読んでみました。今回は翻訳が出…

:ジャック・カロに関する本一冊

成瀬駒男『ルネサンスの謝肉祭―ジャック・カロ』(小沢書店 1978年) ジャック・カロという名前を初めて知ったのは、マーラーの交響曲第一番の第三楽章に「カロ風の葬送行進曲」という標題がつけられていたことからでした。当時マーラーの世界に少しでも縁の…

:Maurice Renard『Le papillon de la mort』(モーリス・ルナール『死神蛾』)

Maurice Renard『Le papillon de la mort』(Nouvelles éditions Oswald 1985年) 生田耕作旧蔵書。Stéphane Bourgoinによる序文と、13の短編が収められています。Bourgoinが序文で「鏡、並行世界、不死、予感、死など幻想文学のあらゆるテーマを扱っていて…

:アスタルテへ行くも閉店

ティーグル・モリオンさんから、アスタルテの店主がお亡くなりになり、閉店半額セールをしているとの情報をいただいて、さっそく24日出かけましたが、この日だけお休みとの札が出ていてがっかり。この日は京都の友人と大阪で飲む約束をしていたのを京都に変…

:シャルル・メリヨンに関する二冊

///松井好夫『メリヨン・パリの狂気と幻覚』(煥乎堂 1980年) ピエール・ジャン・ジューヴ道躰章弘訳『ボードレールの墓』(せりか書房 1976年) メリヨンについて書かれた文章が含まれている本を二冊読みました。双方とも、メリヨン以外について論じた文章…

:ピラネージに関する本二冊

/// マルグリット・ユルスナール多田智満子訳『ピラネージの黒い脳髄』(白水社 1985年) ピーター・マレー長尾重武訳『ピラネージと古代ローマの壮麗』(中央公論美術出版 1990年) 版画の本を読んで、何人かもう少し詳しく知りたいと思う作家がいたので、…

:フランスから挿絵本をネットで取り寄せ

5月31日の記事で予告していたトニー・ジョアノーの挿絵本『いずこなりともお望みの国への旅』が到着しました。5月28日の発注で6月8日着なので、船便なのに10日ほどで着きました。 TONY JOHANNOT/ALFRED DE MUSSET ET P.-J.STAHL『VOYAGE OÙ IL VOUS PLAIRA』…

:版画の本二冊

///坂本満『版画散歩』(筑摩書房 1985年) 駒井哲郎『銅版画のマチエール』(美術出版社 1976年) 挿絵本の延長で、版画の本を読むことにしました。学者と実作者それぞれの視点から書かれていますが、共通する話題もあり、また取り上げられている作家も重な…

:MAURICE RENARD『UN HOMME CHEZ LES MICROBES』(モーリス・ルナール『ミクロ世界へ行った男』)

MAURICE RENARD『UN HOMME CHEZ LES MICROBES』(MÉTAL 1956年) モーリス・ルナールはこれで3冊目。この本には、タイトルと同じ中編「UN HOMME CHEZ LES MICROBES」と短篇2篇「L’IMAGE AU FOND DES YEUX(目の奥底の残像)」「L’HOMME QUI VOULAIT ÊTRE INV…

:オークションで詩歌の復刻本を大量まとめ購入

堀口大學譯詩集『月下の一群』の日本近代文学館復刻本がオークションに出ていて、2200円まで値をつけて落札できなかったので、まあいいやと思って別のオークションを見ると、日本近代文学館復刻本等がまとめて23冊1500円スタートで出品されていて、そのなか…

:鹿島茂『人獣戯画の美術史』

鹿島茂『人獣戯画の美術史』(ポーラ文化研究所 2001年) 愛書シリーズという訳でもありませんが、一種の挿絵についての本なので、傍系として読んでみました。著者にはほかに愛書そのものをテーマにした本も数冊ありますが、ずっと昔に読んだ本なので今回は…

:関川左木夫の二冊

函中 関川左木夫『本の美しさを求めて』(昭和出版 1979年) 関川左木夫『ビアズレイの芸術と系譜』(東出版 1976年) 愛書シリーズの続き。今回は日夏耿之介、山宮允、平井功、石川道雄らと交流のあった関川左木夫。直接書物への愛を語っている『本の美しさ…

:気谷誠の三冊

/// 気谷誠『愛書家のベル・エポック―アンリ・ベラルディとその時代』(図書出版社 1993年) 気谷誠『西洋挿絵見聞録―製本・挿絵・蔵書票』(アーツアンドクラフツ 2009年) 気谷誠編『版画とボードレール―詩人が語る19世紀フランス版画』(町田市立国際版画…

:挿絵本少々

このところ、愛書狂や挿絵本に関する本を読んでいる影響で、とてもそれらの本に出てくるような高価で貴重なものではないですが、私にしては少し高めの本をオークションで購入しました。次の2冊です。 Marcel Brion『Miroirs d’un age d’or』(私家版、59年1…

:古本奇人小説二冊

///G.フローベールほか生田耕作編訳『愛書狂』(白水社 1980年) P.ルイスほか生田耕作編訳『書痴談義』(白水社 1983年) 両書とも、フランス装を意識しているようで、内容にふさわしい洒落た造本。『愛書狂』のほうは野中ユリ装幀になっています。『愛書狂…

:JACQUES ALMIRA『Le marchand d’oublies』(ジャック・アルミラ『ウーブリ売り』)

JACQUES ALMIRA『Le marchand d’oublies』(GALLIMARD 1979年) 生田耕作旧蔵書。ジャック・アルミラの名前はどこかで聞いたような気がして、いろいろ調べてみましたが、私と同じ齢というのと、ミシェル・フーコーと対談していることぐらいで、よく分かりま…

:ノディエ1冊と少し

///シャルル・ノディエ篠田知和基訳『シャルル・ノディエ選集5 夢の国にて』(牧神社 1976年) シャルル・ノディエ鈴木健郎譯『コント・ファンタスティック』(酣燈社 1948年) しばらく続いたノディエもこれで終わり。『ノディエ選集』第2巻、第4巻は持っ…