:オークションで詩歌の復刻本を大量まとめ購入

 堀口大學譯詩集『月下の一群』の日本近代文学館復刻本がオークションに出ていて、2200円まで値をつけて落札できなかったので、まあいいやと思って別のオークションを見ると、日本近代文学館復刻本等がまとめて23冊1500円スタートで出品されていて、そのなかに『月下の一群』が混じってました。酔っ払って帰って来た時だったので勢いよく3100円の値をつけて入札しましたが、翌日そんなに大量に買ってどうすると後悔に苛まれ、誰か早く値を上げてほしいと祈るばかりでした。恐る恐る家内に打診しとくに反応もなかったのでひと安心。結局2200円で落札しました。『月下の一群』以外に三木露風『廃園』や与謝野晶子『みだれ髪』、北原白秋『桐の花』、それに少し興味のあった永井陽子の歌集などもおまけで入手でき、一冊単価なんと95円。まるで古本屋の仕入れのようです。

堀口大學譯詩集『月下の一群』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)→豪華装幀、長谷川潔木版あり
三木露風詩集『廢園』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
與謝野晶子『みだれ髪』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)→藤島武二挿画装幀
北原白秋抒情歌集『桐の花』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
竹久夢二『どんたく』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
永井陽子歌集『なよたけ拾遺』(短歌人会、昭和53年7月、95円)
齋藤茂吉歌集『赤光』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)→木下杢太郎挿画あり
高浜虚子『虚子句集』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
北川冬彦第二詩集『検温器と花』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
久保田万太郎句集『道芝』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)
千家元麿『自分は見た』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)→岸田劉生装幀
水原秋櫻子『葛飾』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
金子光晴詩集『鮫』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)
湯淺半月『十二之石塚』(日本近代文学館名著復刻、昭和56年12月、95円)→これだけがW買。
木下利玄歌集『紅玉』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
石川啄木『一握の砂』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)
尾上柴舟/金子薫園『叙景詩』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)
武者小路実篤『無車詩集』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
土井晩翠天地有情』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年4月、95円)
中西梅花道人『新體梅花詩集』(日本近代文学館名著復刻、昭和55年12月、95円)
土岐哀果『NAKIWARAI』(日本近代文学館名著復刻、昭和56年12月、95円)
湯沢千代歌集『海の乳房』(短歌新聞社、昭和60年4月、95円)
戌亥善一歌集『常滑』(短歌新聞社、昭和61年1月、95円)
月下の一群中
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虚子句集

 いずれも復刻本は印字がぼやけてしまって原本の面影はありませんが、造本の美しさは現物を彷彿とさせるものでしょう。近代文学館の復刻本になぜわざわざ外函がついているか、函付きの本なら二重函になってしまい邪魔くさいと思ってましたが、発行後30年以上も経ち外函は陽に焼けたり染みができたりしているのに中は新品同様なのを見ると、函付きは炯眼であったことが分かります。


 オークションでは他に、
及川茂編『「珊瑚集」原詩集』(木魂社、84年4月、300円)→ボードレール「腐肉」など大好きな詩集。フランス語の原詩がすべて収録されている。
堀口大學『遠き薔薇』(新潮社、大正12年5月、500円)→現代詩人叢書これで大分揃った。
堀口大學譯詩集『海軟風』(新潮社、昭和29年2月、750円)→大學の最後の訳詩集。
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 古書店では、先日、西国三十三カ所巡りで施福寺へ行った時、和泉中央駅のT書店にて下記を発見。念願のシュヴィントについての記述と絵まで掲載されているではありませんか。タイトルからしても当然持っているはずと思いましたがあまり見た記憶もなかったので恐る恐る購入。持ってませんでした。
千足伸行ロマン主義芸術―フリードリヒとその系譜』(美術出版社、78年6月、810円)

 フランス語の先生宅の引っ越し祝いに奈良へ行った時、近くの古本屋J書林にて購入。この日は不覚にも終電を乗り越してしまい東大阪からタクシーで山を越えて我が家に帰る羽目に。
山内久明/川本皓嗣編『近代日本における外国文学の受容』(放送大学教育振興会、03年3月、700円)

 それにしても、ちと買いすぎですかな。