2014-01-01から1年間の記事一覧

:MAXIME AUDOUIN『Contes Fantastiques』(マキシム・オードゥアン『幻想小説集』)

MAXIME AUDOUIN『Contes Fantastiques』(VERMOT 出版年不明) 二年前、パリのブラッサンス公園の古本市で買った本。タイトルと表紙の絵に誘われて買いました。著者についてネットで調べてみましたが、よく分かりません。この他に数冊本を書いているようです…

:イギリス随筆二冊

/// ウィリアム・ハズリット橋輭石訳『日時計』(關書院 1952年) ジョージ・ギッシング平井正穂訳『ヘンリ・ライクロフトの私記』(岩波文庫 2003年) 読んだ順序はギッシングの方が先。懐古趣味がもしやイギリス随筆にもありはせぬかと、読んでみました。…

:吉田正俊『潮騒を聴く―英語文化とその周辺』

吉田正俊『潮騒を聴く―英語文化とその周辺』(聖文社 1981年) 古本屋に通っている皆さんなら、同じ名前で歌集をよく見ることと思いますが、新倉俊一と同様、まったくの別人のようです。こちらの吉田正俊さんは当時共立女子大学の英文学の先生。プルースト研…

:ロンドンについての雑学本二冊

/// 玉村豊男『ロンドン 旅の雑学ノート』(新潮文庫 1995年) 吉田健一/高城明文『ロンドンのパブ』(駸々堂出版 1976年) イギリス関連の続き。今回はロンドンの社会、風俗を旅行者向きに解説したような本。『ロンドンのパブ』は会社に入りたての頃買って…

:ふたたび東京で古本

先日、東京で、大学時代の友人の集まりがあり、ついでに、高円寺の西部古書会館と神保町へ行ってまいりました。 高円寺では、市の最終日、雨風の強い日で人もまばら。出品者S書店の棚からのみ購入。1月末に高円寺の古書市でやはりこの店からたくさん買いまし…

:雑誌「Roman 13―Le Fantastique」(「小説 13号 幻想小説特集」)

Hubert Haddad他「Roman13―Le Fantastique」(Renaissance 1985年) 初めてフランスの雑誌を通読しました。同人誌的な季刊雑誌らしく、この号に寄稿もしているFrançois Coupryという人が編集長。小説が9篇、評論が6篇、インタヴュー1篇。巻末に付録がついて…

:高橋哲雄『二つの大聖堂のある町』

高橋哲雄『二つの大聖堂のある町』(ちくま学芸文庫 1992年) イギリス本を続けて読んでますが、今回読んだのは、経済学者が書いた本です。さすがに文学者とちがって社会科学的な思考訓練を受けているので、問題意識がはっきりしていて、文章がきりっとして…

:イギリス紀行二冊

/// 成田成壽『イギリス娘―ヨーロッパ紀行』(研究社 1955年) 江國滋『英国こんなとき旅日記』(新潮社 1992年) 矢野峰人の『片影』を読んだ流れで、イギリス紀行に関する本を探し出しました。これからしばらく英国ものを読んで行こうと思います。この二冊…

:矢野峰人二冊

/// 矢野峰人『片影』(研究社 1931年) 矢野峰人『曲中人物』(靖文社 1948年) 『世紀末英文学史』に引き続き矢野峰人を二冊。 『片影』は、これまでの評論評伝エッセイとは一味違い、1926年夏から28年春にかけ矢野峰人が渡英した際、イギリス、アイルラン…

:寒い日々はオークションで

そろそろ暖かくなりそうですが、寒い日は外に出ずにオークションでも眺めるのに限ります。というわけで、一人の出品者からフランスもの下記3点を購入。 阿部良雄ほか『フランス文学講座5 詩』(大修館書店、昭和54年10月、500円)→講座とか大勢の共著者のいる…

:矢野峰人『世紀末英文學史』

/// 矢野峰人『世紀末英文學史 上』(牧神社 1978年) 『世紀末英文學史 下』(牧神社 1979年) 2冊に及ぶ大著なので敬遠しておりましたが、思い切って読んでみると、意外や講談を聞いているが如き口調の良さに、知らぬ間に酔い痴れておりました。書かれたの…

:いこま国際音楽祭

「ときどき音楽」が最近なおざりになっているのでひとつ。先週金曜日に「いこま国際音楽祭」に行ってきました。正式名称は、 第4回いこま国際音楽祭 ガラコンサート パート1―シューベルトとその大先輩、大後輩たち というものです。この音楽祭はドイツを拠…

:LUC BÉRIMONT『LES LOUPS DE MALENFANCE』(リュック・ベリモン『マランファンスの狼』)

LUC BÉRIMONT『LES LOUPS DE MALENFANCE』(Marabout 1962年) 学生の頃、ラルースの現代文学事典の説明文を片っ端から読んで、気に入りそうな作家をピックアップしていた時に知った名前。シュネデールのフランス幻想文学史にも出てこないし、これまであまり…

:エルンスト・ルナン『思い出』

エルンスト・ルナン杉捷夫訳『思い出―幼年時代・青年時代』(創元社 1949年) このところ読んでいる本は、Mistler(ミストレール)の『Le bout du monde(この世の涯)』といい、堀切直人の『本との出会い、人との遭遇』といい、共通するのは回想録だというこ…

:200円均一本ほか安い本ばかり

昨年50年ぶりに参加した小学校の同窓会の延長で、2月初めに幼稚園(!)の同窓会というのを企画して梅田で飲んだ帰り、難波のT書店で200円均一、 江國滋『伯林感傷旅行―旅券は俳句』(新潮社、91年6月、200円)→これでこの吟行シリーズは、イタリア、スイス、…

:堀切直人『本との出会い、人との遭遇』

堀切直人『本との出会い、人との遭遇』(右文書院 2004年) 久しぶりに堀切直人を読みました。昔の記録を見ると、82年1月に『迷子論』を読んだ後、『水晶幻想』、『日本夢文学誌』(たしか渋谷西武のリブロポートで大枚をはたいて買った)、『石の花』と読み継…

:ファブリオ三冊

/// 森本英夫訳編『ファブリオ』(東洋文化社 1980年) 森本英夫訳編『フランス中世艶笑譚』(社会思想社 1985年) 森本英夫訳編『フランス中世処世譚』(社会思想社 1985年) 森本英夫訳編のファブリオのシリーズです。あとこれに『フランス中世滑稽譚』が…

:JEAN MISTLER『Le bout du monde』(ジャン・ミストレール『この世の涯』)

JEAN MISTLER『Le bout du monde』(GRASSET 1973年) 今回は300ページ近い本なので長くかかりました。相変わらず分からないところはいい加減に飛ばし読みしましたが、前回読んだPaul Févalの不必要なごてごてした文飾に比べると、文章に落ちつきがあり整っ…

:ケルト神話の本二冊

///井村君江『ケルトの神話―女神と英雄と妖精と』(ちくま文庫 2010年) バーナード・エヴスリン喜多元子訳『フィン・マックールの冒険―アイルランド英雄伝説』(社会思想社 1983年) ケルトの神話についての概説書と、ケルト神話の一部であるフィン・マック…

:新倉俊一『フランス中世断章―愛の誕生』

新倉俊一『フランス中世断章―愛の誕生』(岩波書店 1993年) 『ヨーロッパ中世人の世界』に引き続いて読んでみました。前著と同様、綿密な考証と大胆なもの言いの共存が著者の魅力だと思いますが、「トリスタン」をめぐる考証など、前著とかなり重複していて…

:東京古書市をハシゴ

月末に東京勤務時代のOB新年会があったので、東京まで出かけたついでに、古書市をハシゴしてまいりました。まず神田古書会館和洋会の初日。黒山の人だかりを掻き分け、せっかく東京まで出てきたからにはと、 『吉江喬松詩集』(梓書房、昭和5年10月、3500…

:シャルル・ギヨ有田忠郎訳『沈める都 イスの町伝説』

シャルル・ギヨ有田忠郎訳『沈める都 イスの町伝説』(鉱脈社 1990年) 中世人が想い描いた幻視や彼岸の物語に関する読書の延長です。新倉俊一が『ヨーロッパ中世人の世界』の中でケルト系民話の「イスの町」伝説を紹介しているのを見て、本棚にそういえばあ…

:新倉俊一『ヨーロッパ中世人の世界』

新倉俊一『ヨーロッパ中世人の世界』(筑摩書房 1985年) この本も昔から書棚にあった本、一昨年それを知らずに、ちくま学芸文庫で再版されているのをまた買ってしまいました。著者はフランス中世文学が専門、渡辺一夫の教え子のようで、昔のゼミを懐かしむ…

:新年初買い、ツイン21古本フェアなど

年末の阪神古書市以降、年が明けてからは外出する機会も少なく、会社OB麻雀会でいちど大阪へ出ただけ。それも淋しいと、金曜日、ツイン21の古本フェアに行ってまいりました。 が、出店者も同じような顔ぶれで、見たことのあるような本が多く、しかも値段が…

:ジョルジュ・デュビー小佐井伸二訳『ロマネスク芸術の時代』

ジョルジュ・デュビー小佐井伸二訳『ロマネスク芸術の時代』(白水社 1983年) 早とちりして、ロマネスク芸術を論じた本かと思って買ったら、よく見ると「の時代」と書いてありました。読み終わって、うすらぼんやりの私にも理解できたのは、ロマネスク芸術…

:Paul Féval『Le Chevalier Ténèbre』(ポール・フェヴァル『暗黒騎士』)

Paul Féval『Le Chevalier Ténèbre』(OMBRES 2001年) 「Petite Bibliothèque Ombres(影文庫)」という叢書の一冊。この叢書は、幻想・奇異・驚異部門、驚異旅行部門、ユートピア・SF部門の三部門に分かれていて、聞いたことのない著者の面白そうなタイトル…

:ハワード・ロリン・パッチ『異界―中世ヨーロッパの夢と幻想』

ハワード・ロリン・パッチ黒瀬保・池上忠弘・小田卓爾・迫和子訳『異界―中世ヨーロッパの夢と幻想』(三省堂 1983年) ずっと昔に買って大事に置いておいた本。当時は異界への興味だけで買っていましたが、いまは中世への興味も加わったので読んでみました。…

:阪神百貨店歳末古書即売会ほか

年末の阪神百貨店古書即売会に、古本仲間の忘年会を兼ねて行ってきました。阪神百貨店の古書市は久しぶりの開催です。以前は梅田大丸でもやっていたように思いますが。 出店者は、弁天町やツイン21などでいつも見る顔ぶれ。どちらかというと併設されていた中…