:東京古書市をハシゴ

 月末に東京勤務時代のOB新年会があったので、東京まで出かけたついでに、古書市をハシゴしてまいりました。まず神田古書会館和洋会の初日。黒山の人だかりを掻き分け、せっかく東京まで出てきたからにはと、
『吉江喬松詩集』(梓書房、昭和5年10月、3500円)特製本700内55冊
を奮発して購入。他は安い本ばかり。
尾島庄太郎『現代アイァランド文學研究』(北星堂書店、昭和31年6月、500円)→レジで精算の時、どこかの古書店主が値札を見て、この本も安くなりましたなぁと嘆いておりました。
日夏耿之介『詩歌文章雑談』(實業之日本社、昭和17年1月、200円)→これも美本なのに驚くほどの安さ。
蔵持不三也『異貌の中世―ヨーロッパの聖と俗』(弘文堂、昭和61年12月、300円)
新倉俊一『中世を旅する―奇蹟と愛と死と』(白水社、99年12月、200円)
草野心平『私の中の流星群―死者への言葉』(新潮社、昭和52年1月、200円)→馬淵美意子、松永延造ら43名が登場。
ハインリッヒ・ハイネ藤村義介譯『伊太利紀行』(春陽堂昭和8年4月、100円)
『SPECIMEN OF ENGRAVING ON WOOD BY JOHN HANDS』(THE SCOLAR PRESS、73年、100円)→何かよく分かりませんでしたが、木口木版画風の繊細な彫に魅せられて。1796年刊の復刻版。
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 神田をぶらぶらして、Wで、
アドネ・ル・ロワ原作ジャン・マルシャン再話森本英夫訳『王子クレオマデスの冒険』(教養文庫、89年7月、315円)

 午後は五反田の南部古書会館古書市へ移動。ここではめぼしいものなし。
松村賢一『ケルトの古歌「ブランの航海」序説―補遺:異界と海界の彼方』(中央大学出版部、97年4月、800円)のみ購入。

 その夜、新宿で、東京の古本仲間と懇親。居酒屋とゴールデン街バーの後、久しぶりにオロチョンラーメンとバッティングセンターのコース。


 翌日は、西部古書会館古書市。下記の本はすべて国分寺のS書店という店の棚から。
中央大学人文科学研究所編『ケルト 伝統と民俗の想像力』(中央大学出版部、91年7月、1200円)
小林康夫/松浦寿輝他『宗教への問い2「光」の解読』(岩波書店、00年6月、800円)
マンフレート・ルルカー竹内章訳『象徴としての円―人類の思想・宗教・芸術における表現』(法政大学出版局、91年9月、700円)
月村辰雄『恋の文学誌―フランス文学の原風景をもとめて』(筑摩書房、92年11月、500円)
渡邊昌美『中世の奇蹟と幻想』(岩波新書、89年12月、150円)
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 会場で珍事が勃発。2時間近くうろうろして本が重くなったので後の棚に置いて、しばらく見てから振り返ったら、置いていたはずのところに本がありません。あちこち探しまわっても見当たらず、2時間の努力が無駄になったと愕然として、レジのところへ申し出てみると、店員が勝手に片づけていたことが判明。幸い同じ本屋の本だったので、一か所に積んであったのですぐ手許に戻りました。こんなこともあるので皆さん注意してください。


 帰りの新幹線まで時間があったので、高円寺をぶらぶら。なんと、角のK書房が解体作業中で、紐で結わえられた古本が次々とトラックに乗せられているところでした。合掌。T支店にて、
ベルトラン城左門譯『夜のがすぱある』(操書房、昭和23年11月、800円)裸本
ヴォルテール池田薫譯『カンディード』(河出書房、昭和28年6月、100円)


 まだ時間が余っていたので荻窪まで足を延ばして、I書店にて、
大西巨人『迷宮』(光文社文庫、03年7月、330円)
堀江敏幸ゼラニウム』(中公文庫、10年9月、330円)
森本英夫訳編『フランス中世艶笑譚』(教養文庫、300円)

 調子に乗って買いすぎてしまいました。反省。


 オークションでは下記のみ。
丸山薫『青春不在』(創元社、昭和27年8月、300円)