2018-01-01から1年間の記事一覧

:G・O・CHÂTEAUREYNAUD『Les Messagers』(G・O・シャトレイノー『使者』)

G・O・CHÂTEAUREYNAUD『Les Messagers』(Bernard Grasset 1974年) シャトレイノーを読むのは『LE KIOSQUE ET LE TILLEUL(東屋と菩提樹)』(2013年9月2日記事参照http://d.hatena.ne.jp/ikoma-san-jin/20130902/1378091138)という短篇集に次いで2冊目。…

:生田耕作『クノップフの世紀』ほか

摂津本山で小学校同級生との飲み会があり、その途中、堺筋本町天牛書店にて、 生田耕作『クノップフの世紀―絵画と魔術』(奢灞都館、95年3月、1620円)→NHK「日曜美術館」の内容を本にしたもの。この放送はヴィデオも撮って持っているが念のため。表紙にコー…

:吉田正俊『愚者の楽園』

吉田正俊『愚者の楽園―人魚・魔王・そして英語再入門』(花曜社 1986年) 『西と東の狂言綺語』に続いて読んでみました。あちこちの雑誌に掲載された随筆を集めたもので重複が多い。内容は幅広く、旅行を中心としたもの、言葉に関するもの、塚本邦雄論、グル…

:遊びの詩となぞなぞの本二冊

/// 谷川俊太郎編『遊びの詩』(筑摩書房 1982年) 福音館書店編集部編『なぞなぞの本』(福音館書店 1997年) 読んだ順番です。『遊びの詩』の解説で、谷川俊太郎が「なぞとかことわざはことばのはたらきとして、詩と兄弟みたいなもの」(p140)と書いてい…

:吉田正俊『西と東の狂言綺語』

吉田正俊『西と東の狂言綺語』(大修館書店 1979年) この本も大事に寝かせていたもの。マニエリスムに関する本を取りあげたついでに、「マニエリスムと言語」という60ページほどの章があるこの本を読んでみました。著者は英文学者ですが、同姓同名の歌人が…

:YVES RÉGNIER『Les Ombres』(イヴ・レニエ『影』)

YVES RÉGNIER『Les Ombres』(Bernard Grasset 1963年) 昨年オークションで落札したディスプレイ用11冊一括2000円のうちの一冊。Baronianの『Panorama de la littérature fantastique de langue française(フランス幻想文学展望)』の「詩的幻想作家」の章…

:G・R・ホッケ『迷宮としての世界』

中函グスタフ・ルネ・ホッケ種村季弘/矢川澄子訳『迷宮としての世界―マニエリスム美術』(美術出版社 1968年) 『文学におけるマニエリスム』を読んでいて読みたくなりました。この本は出版間もない頃に一度読んだはずで、巻末に読了のサインもありますが、…

:『竹友藻風詩集』ほか

鬱陶しい時節はほそぼそとネットで購入。塵も積もればとやらで、けっこうな数になりました。 まず、ヤフーオークションにて。今回はあまり書くことがないので、出品者のお名前もついでにご紹介します。 antique-onitaroさんから、 『竹友藻風詩集』(新潮社…

:G・ルネ・ホッケ『文学におけるマニエリスム』

/// G・ルネ・ホッケ種村季弘訳『文学におけるマニエリスムⅠ―言語錬金術ならびに秘教的組み合わせ術』(現代思潮社 1971年) G・ルネ・ホッケ種村季弘訳『文学におけるマニエリスムⅡ―言語錬金術ならびに秘教的組み合わせ術』(現代思潮社 1977年) この2冊も…

:André HARDELLET『Le Parc des Archers』(アンドレ・アルデレ『アルシェの園』)

André HARDELLET『Le Parc des Archers』(Jean-Jacques Pauvert 1977年) アルデレを読むのは『LE SEUIL DU JARDIN(庭園の入口)』に続いて2回目(2016年5月10日記事参照http://d.hatena.ne.jp/ikoma-san-jin/20160510/1462843107)。前作『LE SEUIL DU JA…

:塚本邦雄『ことば遊び悦覽記』

塚本邦雄『ことば遊び悦覽記』(河出書房新社 1980年) いよいよ大御所の登場。前回も少し書きましたが、この本を書くきっかけになったのは、河出書房の編集者から、和田信二郎の『巧智文學』を渡されたことだそうで、『巧智文學』については高く評価し、「…

:珍しい本と格安本

前回古本報告から1ヵ月近く経ちました。今回は冊数は少ないですが、珍しい本と格安本の報告があります。すべてヤフー・オークションでの購入です。まず珍しい本の筆頭は、 ジェラアル・ドゥヴィル平野威馬雄譯『赤ちゃん』(若い人社、昭和18年10月、300円)…

:和田信二郎『巧智文學』

和田信二郎『巧智文學―東西共通の趣味文學』(明治書院 1950年) この本もずいぶん昔に買って積んであった本。塚本邦雄がこの本を編集者から渡されたことが『ことば遊び悦覧記』を書く端緒となったと、同書の「跋」に書かれています。塚本邦雄を動かすほどの…

:ことば遊びの本二冊

/// 池田弥三郎編『日本語講座第二巻 ことばの遊びと芸術』(大修館書店 1976年) 桑原茂夫『不思議の部屋・1 ことば遊び百科』(筑摩書房 1982年) この二冊は、ともにシリーズ中の一冊ですがかなり性格が異なっています。前者はいろんな角度から日本語を考…

:日本のことば遊びについての本二冊

/// 鈴木棠三『ことば遊び』(中公新書 1981年) 綿谷雪『言語遊戯の系譜』(青蛙房 1964年) 両方とも古典的必読本と言えると思いますが、長らく本棚に眠っておりました。日本のことば遊びの歴史と全容を知るには、やはり中公新書の一冊が要点を無駄なくま…

:FRANZ ELLENS『LA PENDULE EMPIRE suivi de trois contes exemplaires』(フランツ・エランス『帝政様式の置時計と3つの教訓的短篇』)

FRANZ ELLENS『LA PENDULE EMPIRE suivi de trois contes exemplaires』(L’AMITÉ PAR LE LIVRE 1964年) 続いて、またフランツ・エランスの短篇集。「教訓的」という訳がいいかどうか不安ですが、いずれも悲恋、悲劇で終わる作品です。相変わらず、文章の読…

:郡司利男『アダムのへそ―言語文化随想』

郡司利男『アダムのへそ―言語文化随想』(桐原書店 1984年) 引き続いて郡司利男の本。前回の『ことば遊び12講』が月刊「言語」に連載したシリーズものであったのに対して、これはいろんな雑誌への寄稿を集めたものですが、『ことば遊び12講』がことば遊びの…

:四天王寺春の大古本祭りと京都勧業館の春の古書大即売会二本立て

暖かくなって、いよいよ本格的な古本市シーズンに突入。関西では、大阪、京都と続いて大きな古本市がありました。四天王寺は古本仲間の都合もあり二日目に集結。池崎書店、シアル、ロビンなどで購入。 なかでまずまず収穫と言えるのは下記。 小林秀雄他訳『…

:郡司利男『ことば遊び12講』

郡司利男『ことば遊び12講』(大修館書店 1984年) このところ何かと用事ができて、思うように本を読むことができません。5月になれば少しは余裕ができるかと。とりあえずほそぼそと一冊ずつ取りあげていきたいと思います。フランス語の言葉遊びの本を読んだ…

:矢野峰人詩集『影』ほか

先月末、サンボーホールひょうご大古本市で、買いそびれた本がどうしても気になって、ネットで調べたら安く出ていたので買いました。少し縦長の判型で装丁が魅力的、またタイトルに惹きつけられました。 福原麟太郎『われとともに老いよ―ブラウニング随想』…

:FRANZ HELLENS『LES MARÉES DE L’ESCAUT』(フランツ・エランス『エスコー川の潮』)

FRANZ HELLENS『LES MARÉES DE L’ESCAUT』(ALBIN MICHEL 1953年) エランスの作品を読むのはこれで3冊目。8つの短篇(うち3篇は連作になっている)が収められています。以前読んだ短篇集『FANTÔMES VIVANTS(幽霊のような人々)』も、実際に幽霊が登場する…

:ピエール・ギロー『言葉遊び』

ピエール・ギロー中村栄子訳『言葉遊び』(白水社 1988年) 引き続きクセジュ文庫のピエール・ギローを読みました。『フランスの成句』ではギロになっていた。小さな本の割には、とても読み応えのある盛り沢山な内容で、参考になりました。言葉遊びがテーマ…

:ピエール・ギロ『フランスの成句』

ピエール・ギロ窪川英水/三宅徳嘉訳『フランスの成句』(白水社 1962年) 成句は諺とは少し違って、表現の一種の型、言葉の綾とでも言うべきもので、成句の方が集合の範囲が広いものでしょう。この本を読んでいちばん感じたことは、諺や成句の成り立ちの解釈…

:フランスのことわざ本二冊

/// 吉岡正敞編『フランス語ことわざ集』(駿河台出版社 1976年) 小林龍雄訳註『フランスのことわざ』(大学書林 1978年) 前回に続きフランスのことわざ本。『フランス語ことわざ集』は収録数は1207と多いですが、同じ諺で少し形を変えたものを別の諺とし…

:神戸サンボーホールの古本市ほか

今日は陽気に誘われて、神戸の「第13回サンボーホールひょうご大古本市」初日に行ってまいりました。早く家を出たにもかかわらず、近鉄・阪神線は停まる駅が多くて、開場には間に合いませんでした。「街の草」が詩集をたくさん出していたほか、他の書店もな…

:田邊貞之助『ふらんすの故事と諺』

田邊貞之助『ふらんすの故事と諺』(紀伊國屋書店 1959年) REMY DE GOURMONTの『Une Nuit au Luxembourg』を読んでいて箴言風の表現が面白かったので、フランスの諺の本を読んでみようと思いました。まずはいちばんボリュームのあるこの本から。「成句と成…

:REMY DE GOURMONT『Une Nuit au Luxembourg』(レミ・ド・グールモン『リュクサンブール公園の一夜』)

REMY DE GOURMONT『Une Nuit au Luxembourg』(MERCURE DE FRANCE 1923年) Luxembourgという言葉を知ったのは、学生の頃、ネルヴァルの詩「Une Allée du Luxembourg」からでした。初めてパリに行った時も真っ先にリュクサンブール公園を訪れたことを思い出…

:荷風伝二冊

/// 佐藤春夫『小説永井荷風伝 他三篇』(岩波文庫 2009年) 小門勝二『永井荷風の生涯』(冬樹社 1977年) 永井荷風の伝記を二冊読んでみました。佐藤春夫は慶応大学で荷風の講義を聴き、途中疎遠になった時期もありましたが、『永井荷風読本』の編集を任さ…

:永井荷風関連の本二冊

/// 赤瀬雅子『永井荷風とフランス文化―放浪の風土記』(荒竹出版 1998年) 東秀紀『荷風とル・コルビュジエのパリ』(新潮社 1998年) 以前、赤瀬雅子『永井荷風とフランス文学』という似たような題名の本を読んで、荷風が愛読していたフランス文学との比較…

:GASTON LEROUX「La double vie de Théophraste Longuet」(ガストン・ルルー「テオフラスト・ロンゲの二重生活」)

/// GASTON LEROUX『ROMANS FANTASTIQUES Ⅱ』(ROBERT LAFFONT 1964年) 生田耕作旧蔵書。648ページもある大部の本のうち314ページを占める大作。この本は他に「Le fauteuil hanté(呪われた椅子)」「L’homme qui a vu le diable(悪魔を見た男)」「Le coe…