2011-01-01から1年間の記事一覧

:篠田知和基他『フランス幻想文学の総合研究』(国書刊行会 1989年)

しばらく旅行に出かけていましたので、間が空いてしまいました。旅行前に読んだものなので、すでに記憶が遠のいていますが、ご紹介します。 随分前に買っていて積読のままになっていたもの。篠田知和基(6編)の他に、山中哲夫(2篇)、田中義廣、中島廣子…

:オークション中心にあれこれ購入。

その後も置く所がないとぼやきつつ性懲りもなく少しずつ買っております。 今回は、外出の機会も少なく、オークション中心となりました。欲しいと思う珍しい本はだいたいが手の届かない高値になってしまうので、身の丈に合ったものを細々と安値で購入していま…

:Jean-Louis Bouquet『LE VISAGE DE FEU』(ROBERT MARIN 1951年)(ジャン=ルイ・ブーケ『炎の顔』)

昨年の神保町洋書市で購入した生田耕作先生旧蔵本。 ROBERT MARIN社の幻想小説シリーズ「L’ENVERS DU MIROIR(鏡の裏側)」の1冊です。表紙の脳みそのような絵はtoyen(トワイヤン)のようですがふたしかです。 前回読んだロカンボールに比べて、一段と文章が難…

:最近よく聴くCD「ギル・シャハム・プレイズ・フォーレ」

音楽の話題から遠ざかっていたので、最近よく聴いているCDについて。 音楽の聴き方は人によってそれぞれだと思いますが、私の場合は、気に入った曲をみつけたら、その曲をしばらくは繰返してかけるようにしています。ほかにもいろんな曲と並行しながらですが…

:外国語についての本2冊

/// 外山滋比古『外国語の読みと創造』(研究社出版 1980年) 丸山圭三郎『フランス語とフランス人気質』(日本放送出版協会 1982年) 語学がなかなか上達しないので、なにかヒントはないものかと読んでみました。両書とも言葉の根本的な性質を理解しようと…

:のんびりエッセイを中心に

このところ、オークションと書店とバランスよく購入しています。 オークションでは、前回でも少し触れた 杉谷代水譯『新譯アラビヤンナイト』下巻(冨山房、奥付なし、1000円)→大正4年版のものと思われる。挿絵が2〜3ページに一つぐらいの割合でふんだんにあ…

:引続き俳句関連2冊

/// 江國滋『スイス吟行―旅券は俳句』(新潮社 1993年) 飯島耕一『俳句の国徘徊記』(書肆山田 1988年) 前回の俳句本2冊は、俳句を理論的歴史的に解説した本でしたが、今回は自由気ままに書かれていてリラックスして読める本を選びました。どちらかと言え…

:俳句の本2冊

/// 外山滋比古『省略の詩学―俳句のかたち』(中公文庫 2010年) 平井照敏『俳句開眼―十七音詩型創造の楽しさ』(有斐閣 1979年) このところ短詩型についての本を読んでいます。このあとも少し軟らかめの俳句の本を読んだので次回ご紹介したいと思います。 …

:京都勧業館春の古書大即売会

一昨日、8年ぶりに勧業館古書市へ行ってまいりました。 初日とあって開場時間の10時前に到着すると、なんと凄い長蛇の列ではありませんか。しかもテレビ局のカメラが右往左往しております。昔はこんなではなかったのに。関西では珍しく東京の古本市のような…

:四天王寺春の古本祭り

昨日は、標記の催しに行ってまいりました。10時ちょうど会場に到着すると、すでにほとんどのテントのシートがはずされておりました。 古本仲間とお昼に合流、近所の店での昼食をはさんで、2時半まで。最後は駆け足になりましたが、下記を購入。『比較文學研…

:PONSON DU TERRAIL『ROCAMBOLE―TURQUOISE LA PÉCHERESSE』(Éditions Garnier 1978)(ポンソン・デュ・テライユ『ロカンボール―罪深い女テュルクワーズ』)

生田耕作先生旧蔵の一冊。 久しぶりにとても分かり易いフランス語で、ぶ厚い本(377ページ)の割りに速く読み終えました。と見栄を張っても、なに、ところどころ分からないところがあったのも事実。しかしこういう展開の華々しい読み物は少々分からないとこ…

:フィリップ・ジュリアン杉本秀太郎訳『世紀末の夢―象徴派芸術』(白水社 1982年)

フランス世紀末に関する大著です。美術を中心に文学にも目配りし、時代区分も世紀末を中心にロマン派以降シュルレアリスムまでも視野に入れ、またイギリス、ドイツ、ロシアなどの動きも並行して著述したスケールの大きな作品となっています。 「本書は十九世…

:松村武雄『朗かな斜視』ほか

このところ低調が続いておりましたが、久しぶりにオークションで1冊落札できました。 松村武雄『朗かな斜視』(明星書院、昭和6年2月、450円) 同じ著者の『疎鐘』も所持していますが、あまり見ない本です。 「序」で、専門と「方面違ひのことに踏み込んでゐ…

:定年後の海外生活を綴った本4冊

藤沢たかし『63歳からのパリ大学留学』(新潮文庫 1994年) 水江正吾『南仏モンペリエ 午睡(シェスタ)の夢』(河出書房新社 1994年) 角幡春雄『ぽるとがる游記』(新潮選書 1995年) 上林三郎『定年欧州自転車旅行』(連合出版 2007年)『定年欧州自転…

:川本皓嗣『日本詩歌の伝統―七と五の詩学』(岩波書店 1991年)

すべての論文が素晴らしく感じられました。とても読みやすく分かりやすい。あとがきで「言いたいことの要点は、ほぼ本書の三章に尽きる」と言い放っているように、この本を読めば日本の短詩型の特徴と全貌が分かるように思います。 川本氏はとても頭のクレバ…

:ツイン21古本フェアほか

先日、陽気に誘われて、大阪城公園の植木市を家内と見に行ったついでに、ツイン21の古本市へ行ってまいりました(というのは逆か?)。 そんなに混んでもなくてゆっくりと見回ることができました。下記7冊を購入。 野上豊一郎『翻訳論―翻訳の理論と実際』…

:辻瑆・芳賀徹編『文学の東西』(日本放送出版協会 1988年)

前々回の「最近読んだ本」で、この本に収められている芳賀徹「桃源郷の系譜」を取り上げましたが、そのついでに他の諸編も読んでみました。かなり部厚い本で、400ページ弱になります。 この本は、放送大学の比較文学講座のテキストのようで、比較文学の歴史…

:W・L・シュワルツ北原道彦訳『近代フランス文学にあらわれた日本と中国』(東京大学出版会 1971年)

このところの比較文学づいた勢いで読んでみました。 著者は、幼少時に日本で育ち、アメリカの大学を卒業後、日本にしばらく滞在して学校で英語を教えていたという経歴の持主。フランス比較文学の大家バルダンスベルジェ教授の弟子だそうで、この本もバルダン…

:Marcel Brion 『Les Ailleurs du temps』(Albin Michel 1987年)(マルセル・ブリヨン『いまではないどこか』)

標記の本の中で、以前読んだ『Contes fantastiques(幻想物語集)』に入っていない7篇の短編を読みました。 ブリヨンの最後の短編集、1937年から1984年までの作品を集めたものですが、死の年に書かれた3編は、ストーリー性も希薄でエッセイ風な文章になり、…

:オークションで日夏耿之介『咒文』、サンボーホールひょうご大古本市

オークションも波があるようで、しばらく入札しておりませんでしたが、急に欲しい本が目に付くようになり、何点か落札しました。 そのなかでも極めつけは、 日夏耿之介『詩集 咒文』(冬至書房、昭和40年1月、3900円) 復刻版ですが、とてもきれいな本で撫で…

:杉田英明編『桃花源とユートピア』(平凡社 1989年)、芳賀徹「桃花源の系譜」(『文学の東西』日本放送出版協会 1988年所収)

/// 昔から、異界訪問譚が好きですが、『桃花源とユートピア』を手にして、異界訪問譚のアジアでの原点とも言うべき「桃源郷」を中心に、知らない話がたくさんありそうなので読んでみました。その解説の中で、芳賀徹の「桃花源の系譜」のことが出ていたので…

:鹿島茂『妖人白山伯』(講談社 2002年)

鹿島茂初の小説、といっても10年近く前のものですが読みました。 怪作としか言いようがありません。歴史小説でもあり、ミステリーでもあり、ポルノ小説でもあります。 歴史小説としては、幕末から明治中期にかけての日仏交渉史を歴史上の人物を鏤めながら辿…

:三つの古本市をはしご 古本病極まる

先週末は、大阪では珍しく三つの古本市が重なって開催されたので、行ってまいりました。 弁天町のオーク古本祭と、大阪古書会館の月いち古書即売会、それと今回新しく始まった天満橋のタツタビル古書ノ市です。 一日に古本市を3ヶ所はしごしたのは初めてで…

:MARCEL BRION 『LA CHANSON DE L’OISEAU ÉTRANGER』(ALBIN MICHEL 1958)(マルセル・ブリヨン『異国の鳥の歌』)

標記の本の中で、前回読んだ『Contes fantastiques(幻想物語集)』に入っていない10篇の短編を読みました。 何より嬉しかったのは、アンカットのページを一枚ずつペーパーナイフで切りながら読む喜び。学生の頃憧れてその後3本もペーパーナイフを持ちなが…

:水の都の古本展ほか

関東以北は大変なことになっていて、こんな非常時に、のんびりした話は後ろめたい気もしますが、生駒の里にもそのうち影響が出てくるに違いないので、今のうちに羽を伸ばしていようと思います。 前回ご報告(3月1日)以降、またたくさん買い込んでしまいまし…

:荒川洋治3冊と長田弘1冊

/// /// 荒川洋治『言葉のラジオ』(竹村出版 1996年) 荒川洋治『夜のある町で』(みすず書房 1998年) 荒川洋治『忘れられる過去』(みすず書房 2003年) 長田弘『笑う詩人』(人文書院 1989年) 山本善行さんの『古本のことしか頭になかった』で、荒川洋…

:ネマニャ「悪魔のトリル」公演

音楽の話題が途切れているので一つ。昨日(3月5日) 、兵庫県立芸術文化センター大ホールで行なわれた標記のコンサートへ行ってきました。 演奏はネマニャ・ラドロヴィチ率いる弦楽6重奏ユニット「悪魔のトリル」。 /// プログラム ちらしこのコンサートへ行った…

:古本についての古本ほか

前回報告以降、何かにとり憑かれたように古本を買っています。東京まで行ってあまり収穫がなかったことの反動が今頃出てきたのか、それとも外出の機会が増えたからでしょうか。 その中で古書に関する本が目に付きます。 オークションで、古本に関する本が格…

:鈴木信太郎『フランス詩法上・下』(白水社 1950,78年)

/// 先日、クセジュの『フランス詩法』を読んで、そもそも律動や韻律、諧調など基本的な言葉が良く分からなかったこともあり読んでみたが、数倍は分かり易くてためになりました。フランス詩の入門を読むなら、クセジュはやめて、少々大部で時間もかかるし値…

:ネットで1円の古本を購入。

ついに、前から気になっていたネットの1円の古本を購入しました。送料が250円だったので、送料の実価格との差額を利益にしているのでしょうか。 伊藤海彦、谷川俊太郎他『現代四行詩集 こころの果実』(透土社、92年12月、1円) 伊藤海彦の名前に惹かれて購…