最近読んだ本・フランス書
HENRI DE RÉGNIER『Histoires incertaines』(MERCURE DE FRANCE 1919年) レニエの詩集『Les Médailles d’Argile(粘土牌)』を入手したのがきっかけで、訳詩などを眺めているうちに、『碧玉の杖』などの美しい文章を思い出したので、しばらくレニエを読もう…
GÉRARD PRÉVOT『LE SPECTRE LARGE et autres contes fantastiques』(marabout 1975年) GÉRARD PRÉVOTは、これで4冊目です。タイトルどおり幽霊譚、しかも幽霊が復讐する話が多いですが、彷徨譚あり、酩酊小説あり、ミステリーあり、ドタバタSFあり、チェス…
GÉRARD PRÉVOT『LA NUIT DU NORD―La nuit des grandes ombres』(marabout 1974年) 数年前パリのミステリー専門古本屋「L’Amour du Noir」で購入した本。GÉRARD PRÉVOTは以前、『LE DÉMON DE FÉVRIER ET AUTRES CONTES FANTASTIQUES (2月の悪魔―幻想短編集)…
BRUNO GAY-LUSSAC『L’AUTRE VISITE』(GALLIMARD 1993年) 学生時代、ラルースの文学事典で「形而上学的苦悩、夢、エロティスム、子ども時代へのノスタルジーを描いた」という説明を見て、名前をリストアップしていたのを、数年前パリのブラッサンス公園古本…
CLAUDE FARRÈRE『LA SONATE À LA MER』(FLAMMARION 1952年) 何年か前、パリの古本屋の店頭均一コーナーで見つけた本。ファレールの晩年に書かれた作品のようで、「NUIT TURQUE(トルコの夜)」「L’ILE AUX IMAGES(心のなかの島)」「RÊVE ET CAUCHEMAR(…
CLAUDE FARRÈRE『Dix-sept Histoires de Marins』(PAUL OLLENDORFF 1914年) 何年か前、京都勧業館古本市の百円均一コーナーで買ったもの。ファレールを読むのは『L’autre côté...―CONTES INSOLITES(彼岸―奇譚集)』(2011年10月14日記事参照http://d.hate…
Robert Margerit『Mont-Dragon』(La Table Ronde 2006年) この作家は、昔ラルースの現代文学事典をぺらぺらめくっていた時に見つけた作家で、エキセントリックで熱狂的な人物が登場するといった紹介で興味を持ちました。3年前パリでの本買いツアーで購入し…
Aloysius Bertrand『GASPARD DE LA NUIT―Fantaisies à la manière de Rembrandt et de Callot』(Les Fermiers Généraux 1956年) カロの版画について読んだ延長で、「レンブラント、カロ風の幻想曲」という副題を持つ本書を読んでみました。今回は翻訳が出…
Maurice Renard『Le papillon de la mort』(Nouvelles éditions Oswald 1985年) 生田耕作旧蔵書。Stéphane Bourgoinによる序文と、13の短編が収められています。Bourgoinが序文で「鏡、並行世界、不死、予感、死など幻想文学のあらゆるテーマを扱っていて…
MAURICE RENARD『UN HOMME CHEZ LES MICROBES』(MÉTAL 1956年) モーリス・ルナールはこれで3冊目。この本には、タイトルと同じ中編「UN HOMME CHEZ LES MICROBES」と短篇2篇「L’IMAGE AU FOND DES YEUX(目の奥底の残像)」「L’HOMME QUI VOULAIT ÊTRE INV…
JACQUES ALMIRA『Le marchand d’oublies』(GALLIMARD 1979年) 生田耕作旧蔵書。ジャック・アルミラの名前はどこかで聞いたような気がして、いろいろ調べてみましたが、私と同じ齢というのと、ミシェル・フーコーと対談していることぐらいで、よく分かりま…
表紙扉 インタヴュー挿絵 MARCEL BRION『l’enchanteur』(CLUB DE LA FEMME 1966年) 『Algues(海藻)』に続いてブリヨンを読みました。少々おとぎ話的なところはありますが、ブリヨンの小説のなかでは最上の部類でしょう。『Algues』に較べると文章はやさ…
Marcel Brion『Algues―Fragments d’un journal intime』(ALBIN MICHEL 1976年) 久しぶりにブリヨンを読んでみました。ブリヨンのフランス書を読むのはこれで10冊目になるでしょうか。この本は面白いと聞いていましたが、少し部厚めなので敬遠しておりまし…
Alexandre Dumas『Les frères corses』(l’aube 2006年) 3年前ブラッサンス公園古本市で買ったもの。序文によると、『コルシカの兄弟』が出版されたのは1845年で、『三銃士』で評判になった直後とのこと、前年に『コルシカの一家』というタイトルで出たもの…
Maurice Pons『Délicieuses frayeurs』(Le Dilettante 2006年) 引き続きモーリス・ポンスを読みました。3年前パリの古本屋ジベール・ジョセフでの購入本。出版社の「Dilettante」はパリのオデオン座近くにあり、1Fで古本屋を営んでいます。 121ページの薄…
Maurice PONS『LES SAISONS』(CHRISTIAN BOURGOIS 2010年) 一読驚嘆!世紀の怪作!これは『ビール醸造業館』と並ぶPonsの最高作ではないでしょうか。本の裏表紙に、「この作品はMalcolm Lowry、Julio Cortàzarの読者と同じような熱狂的なカルトに支持され…
Patrick Modiano/Sempé(挿絵)『Catherine Certitude』(Gallimard 2012年) 久しぶりにModianoを読みました。実は、フランス語も本を読んでいるだけで、会話も作文もまったくできないので、少しはバランスも必要だと、フランス語のレッスンを受けています。…
Alexandre Dumas『Histoire d’un Mort racontée par lui-même』(UNION GÉNÉRALE D’ÉDITIONS 1980年) 一昨年パリでの購入本。序文は難しいが、デュマの本文はとても読みやすい文章。いつもは音読してから、辞書を引きながら黙読し、次に骨子を要約するとい…
ANDRÉ DE RICHAUD『LA NUIT AVEUGLANTE―Le livre maudit d’un écrivain maudit』(MARABOUT 1972年) 一昨年、パリの「L’Amour du Noir」というミステリー専門古書店での購入本。作者についてはまったく知りませんでしたが、マラブ叢書ということと、タイト…
Marcel Béalu『Mémoires de l’ombre』(Phébus 1986年) 一昨年パリのモンジュ広場の古本市で、30ユーロの本をいったんレジに持って行って、価格交渉の末、帰るふりをして27ユーロに負けてもらった本。 ひとことで言って、この作品はベアリュの最高作ではな…
/// Erckmann-Chatrian『Le requiem du corbeau-Contes fantastiques TomeⅠ』(L’ARBRE VENGEUR 2008年)(エルクマン-シャトリアン『鴉のレクイエム―幻想物語集Ⅰ』) ERCKMANN-CHATRIAN『HUGUES-LE-LOUP et autres contes fantastiques』(Marabout 1966年…
Jean Lorrain『La Maison Philibert』(Jean-Claude Lattès 1979) 久しぶりに、ジャン・ロランの長編を読みました。全部で314ページ。Jean Chalon(ジャン・シャロン)という、ロランの友人だったナタリー・バーネイの伝記を書いている人が、序文を寄稿して…
HUBERT HADDAD『Le Secret de l’immortalité』(MILLE ET UNE NUITS 2002年) 今年3月に読んだ雑誌「Roman:Le Fantastique」(1985年)に収められていた「Le Secret de l’immortalité」が抜群に面白かったので、同名の表題の短編集を取り寄せ読んでみました。…
Honoré de BALZAC/Philarète CHASLES/Charles RABOU『CONTES BRUNS par une tête à l’envers』(éditions des autres 1979年)(オノレ・ド・バルザック、フィラレート・シャール、シャルル・ラブー『逆さ頭による黄昏物語集』) 一昨年、パリの古書店で偶然…
Jean-Baptiste Baronian『Scènes de la ville obscure』(ROBERT LAFFONT 1977年) 2年前パリ、ブラッサンス公園古本市での購入本。題名に惹きつけられて買いました。バロニアンという名前は、幻想小説についての評論を書いている人ということで知っていま…
MAXIME AUDOUIN『Contes Fantastiques』(VERMOT 出版年不明) 二年前、パリのブラッサンス公園の古本市で買った本。タイトルと表紙の絵に誘われて買いました。著者についてネットで調べてみましたが、よく分かりません。この他に数冊本を書いているようです…
Hubert Haddad他「Roman13―Le Fantastique」(Renaissance 1985年) 初めてフランスの雑誌を通読しました。同人誌的な季刊雑誌らしく、この号に寄稿もしているFrançois Coupryという人が編集長。小説が9篇、評論が6篇、インタヴュー1篇。巻末に付録がついて…
LUC BÉRIMONT『LES LOUPS DE MALENFANCE』(Marabout 1962年) 学生の頃、ラルースの現代文学事典の説明文を片っ端から読んで、気に入りそうな作家をピックアップしていた時に知った名前。シュネデールのフランス幻想文学史にも出てこないし、これまであまり…
JEAN MISTLER『Le bout du monde』(GRASSET 1973年) 今回は300ページ近い本なので長くかかりました。相変わらず分からないところはいい加減に飛ばし読みしましたが、前回読んだPaul Févalの不必要なごてごてした文飾に比べると、文章に落ちつきがあり整っ…
Paul Féval『Le Chevalier Ténèbre』(OMBRES 2001年) 「Petite Bibliothèque Ombres(影文庫)」という叢書の一冊。この叢書は、幻想・奇異・驚異部門、驚異旅行部門、ユートピア・SF部門の三部門に分かれていて、聞いたことのない著者の面白そうなタイトル…