最近はまっている曲:ゴダール「ヴァイオリン協奏曲第2番」

ikoma-san-jin2009-06-02


CDウォークマンと密閉型のヘッドフォンを最近新しく購入して、寝る前に少しずつ音楽を聴いています。別に出勤時にデジタルウォークマンでも聴いていますが、さすがにCDの音の方が優れています。音が鮮明、表情豊かで、一音一音に厚みがあると言えばよいでしょうか。
プリアンプがついているので、高音と低音を強調した音質にして聴いていますが、低弦のピツィカートなどはお腹の底にずんと響いてくるような感じがします。

ゴダールはフランスの作曲家、生年では、フォーレドビュッシーの間ですが、所謂フランス印象派の柔らかくてふわふわしていて、また飛び跳ねるようで歯切れがよいという感じではなく、少し時代を遡ったサン=サーンスにむしろ近く、また国は違いますがブルッフと共通する濃厚な浪漫派の印象があります。

ゴダールはこのヴァイオリン協奏曲以外に、「ヴァイオリンとオーケストラのためのロマンティック協奏曲」を書いています。後者もとくにアダージョ楽章は浪漫派の憧憬を感じさせて素晴らしいですが、いまはこの第2番にはまっています。

とくに第1楽章はじまって2分少しの間は息も継がせない魅力溢れる展開です。この2分ほどがあまりに素晴らしいので、後の8分ほどがやや色褪せて見えてしまうほどです。
第2楽章のアダージョは耳に残る美しい旋律です。ヴァイオリンならではの響きがたっぷりと味わえます。
3楽章のスピード感に溢れて飛び跳ねるような感じ(栗鼠が公園で転げまわっている?通俗的なイメージで申し訳ない)も独創的で、この3つの楽章がそれぞれはっきりした特徴を持って構成されているのがよく分かります。

これだけの曲がまだごく一部の愛好家にしか知られていないのは大変もったいないことです。もっと吹聴しないと思いますが、まずゴダールの前に、ブルッフの1番以外のヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンとオーケストラのための作品を含め)やサン=サーンスの4つのヴァイオリン協奏曲、パガニーニの6つのヴァイオリン協奏曲があるので大変です。

CDはまだ出ていないようですが、ゴダール交響曲を3つ作曲しており、その表題は、symphonie gothique, symphonie orientale, symphonie légendaireというのだそうです。早く聴いてみたいものです。