:久しぶりに神保町

 今週木、金と久しぶりに東京へ出て行きました。木曜日は、西洋美術館のユベール・ロベール展、ピラネージ展と友人の病気見舞い、夜は友人との飲み会で放歌高吟し、金曜日は二日酔いでフラフラのなか、古書会館の趣味の古書展と神保町古本屋めぐり、のハードスケジュールでくたくたになってしまいました。


 趣味の古書展はなんとか開場の時間に辿り着きましたが、長蛇の列を見た途端戦意を喪失腹具合もおかしくなってトイレに駆け込んで、会場に入った時点ではすでにF書房の棚は三重の列、とても棚まで手が届きません。あれよあれよのうちに、棚がガサガサになっていくのを見てまた意気阻喪して戦線離脱、人の群がっていない棚ばかり見て回りました。というわけで東京まで出向いた割には戦果なし。
「本の手帖 特集:西脇順三郎の人と作品」(昭森社、昭和38年10月、300円)
「本の手帖 特集:外国人の文化遺産」(昭森社、昭和42年2月、200円)
「本の手帖 特集:シュールレアリスム詩人」(昭森社、昭和43年2月、300円)
「本の手帖 特集:愛の抒情詩」(昭森社、昭和43年4月、200円)
「同時代 特集:高田博厚」(法政大学出版局、81年12月、200円)
「同時代 特集:矢内原伊作追悼」(法政大学出版局、90年7月、200円)
上田保『象徴主義の文学と現代』(慶応通信、昭和52年9月、800円)
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シュールレアリスム詩人特集の「本の手帖」の表紙絵がとても面白くて、洗濯紐に男が猿のように仰向けにぶら下がりそれを屋根の上で囃し立てている男、さらにその向こうで眺めている男と、あちこちに何か仕掛けがありそうです。目次には表紙画P・エリュアールとなっていますが、エリュアールは絵も描いていたんでしょうか、初耳です。
 また上田保の本はあまり見たことがない本で、巻末には奥さんの上田静栄の詩も掲載されていて、今回の収穫と言えるでしょう。


 神保町T書店では店頭で、
「本の手帖 特集:ボードレール百年記念」(昭森社、昭和42年8月、400円)
山崎榮治『女庭師』(昭森社、75年3月、300円)→安川定男あてサイン入り
を購入。

帰りの電車のなかで「ボードレール百年記念」を少し読みましたが、なかなか力の入った論考が多くてこれも収穫。なかでも斉藤磯雄「ピモダン館」は単行本でも読んだことがありますが、文章の味わいが秀逸です。


 神保町ブックWの2階の文庫本売り場で、
『現代詩人全集川路柳虹集』(新潮文庫昭和15年2月、840円)

高かったがきれいな状態だったので、せっかく東京まで来たのにと思い購入。ぱらぱらとめくった程度ですが内容にはとても満足。


 電車に乗る前八重洲のY古書館で、
粕谷栄市『化体』(思潮社、99年11月、500円)

この本屋さんはなかなか良い本をそろえていて、いつも何か買っています。


 オークションでは、
宇佐美斉『ランボー私註』(国文社、昭和54年2月、300円)
現代詩人叢書西條八十『蠟人形』(新潮社、大正12年11月、1000円)
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ランボー私註』の表紙画かっこいいですね。


 ネット古本屋では、
サルバドール・エリソンド田澤耕訳『ファラベウフ』(水声社、91年11月、1280円)

不思議な小説のようです。