2020-01-01から1年間の記事一覧
M・ビュトール高畠正明訳『ボードレール』(竹内書店 1970年) アンチ・ロマン作家によるボードレール論。さすがに作家らしく、評論として、とてもユニークな構成を採用していて、ボードレールが1856年3月13日に友人アスリノーに宛てた、前の晩に見た夢につ…
サルトル佐藤朔訳『ボードレール』(人文書院 1966年) 松井好夫『ボードレール―生涯と病理』(煥乎堂 1969年) 今回は、ボードレールの生涯を精神分析的視点で追った評論を読みました。サルトルのボードレール論は、詩作品にはほとんど触れず、手紙や覚書を…
PIERRE LOTI『LES TROIS DAMES DE LA KASBAH―CONTE ORIENTAL』(CALMANN-LÉVY 発行年不詳) 4年ほど前セーヌ河岸の古本屋で買った本。「LES TROIS DAMES DE LA KASBAH」、「PASQUALA IVANOVITCH(パスカーラ・イヴァノヴィッチ)」、「UN VIEUX(老人)」、…
ゴーティエ田邊貞之助譯『ボードレール論―附・ゴーティエ論』(創元社 1948年) アルベエル・チボオデ笹森猛正譯『ボオドレエル論』(白水社 1941年) 本国の人たちによるボードレール論。ゴーチェはボードレールと10歳上で親交があり、『悪の華』の献辞も受…
学生時代からの友人で、古本の師匠でもあったびわこのなまずさんが亡くなりました。このブログを始めたのは彼がミクシィで日記を綴っているのを知り、やり方を教えてもらったことがきっかけでした。均一本のなかからいかに味のある本を釣り上げるかが古本漁…
セシェ/ベルトゥ齋藤磯雄訳『ボードレールの生涯』(立風書房 1972年) パスカル・ピア福永武彦訳『ボードレール』(人文書院 1966年) ボードレールについての本を読んでいこうと思いますが、まずは、海外の翻訳本から。ボードレールについての基本的な情報…
J.M.A.Paroutaud『LA DESCENTE INFINIE』(on verra bien 2016年) 新刊で取寄せた本。パルトゥーを読むのは、『LA VILLE INCERTAINE(さだかでない町)』(2011年8月29日記事参照)と『Le Pays des Eaux(水の国)』(2016年12月25日参照)に引き続いて、こ…
横張誠『侵犯と手袋―「悪の華」裁判』(朝日出版社 1983年) ボードレールを続けて読もうと思いますが、手始めとして「悪の華」裁判に焦点を当てた本を取り上げました。「悪の華」詩篇が雑誌に掲載され始めてから、『悪の華』が出版され、裁判が終わるまでを…
フランショーム/ショパン『19世紀チェロ作品集』(SONY SRCR9515) ビルスマ(チェロ)、オルキス(フォルテピアノ)、ラルキブッデリ&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ アントニオ・ストラディヴァリ作の銘器による演奏 2年ほど前、梅田の中古CD店…
宇佐美斉『フランス詩 道しるべ』(臨川書店 1997年) 谷口正子『フランス詩の森―神を探した詩人たち』(国書刊行会 1999年) これからボードレールに関連した本を読んでいこうと思います。まずフランスの近代詩についての概説本から読んでみようと、無作為…
ANNE RICHTER『Cauchemar dans la ville』(HRW 1995年) 森茂太郎の「ベルギー幻想文学私記」(「小説幻妖 弐」所収)で知った作家で、Baronianの『Panorama de la littérature fantastique(フランス幻想文学展望)』にも名前が載っていました。子ども向き…
岩﨑昇一『無みする獣』(日本図書刊行会 1997年) 岩﨑昇一『藍染の家』(ふらんす堂 2011年) 以前、『無みする獣』を買ったとき、簡単な感想を書いたら、著者の方からお礼のコメントをいただきました(2014年10月18日記事参照)。今回、イロジスム(非論…
年末は阪神百貨店の古書ノ市の初日に行ってきました。今年は参加店舗が少し減ったようで、レコード市の賑わいに押されていました。大勢の人混みのなか、長蛇の列に並んで、結局買ったのは、下記一冊。 アンリ・メショニック竹内信夫訳『詩学批判』(未来社、…