古本の師であった友人逝く

 学生時代からの友人で、古本の師匠でもあったびわこのなまずさんが亡くなりました。このブログを始めたのは彼がミクシィで日記を綴っているのを知り、やり方を教えてもらったことがきっかけでした。均一本のなかからいかに味のある本を釣り上げるかが古本漁りの醍醐味だと日頃から主張していて、私が安い本を嬉々として買っているのも彼の影響です。学生時代に彼に頼まれて『黒死館殺人事件』初版を800円!で買いに行ったり、私の卒業記念に『暗黒公使』の初版(30円!で買った)をプレゼントしたことを覚えています。一人また一人と仲間が減っていくのは寂しい限りですが、みんなの思い出を胸に、元気なうちは古本にまみれていたいと希っています。ご冥福をお祈りします。

 

 寒くなるとますます外に出るのが億劫になるので、古本屋での購入は下記3冊のみ。奈良に出たついでに「柘榴の國」で、

遠山信男『詩の暗誦について―詩の可能性と内面への探検』(近代文芸社、98年12月、858円)

 尼崎での探訪飲み会(尼崎城に上ってきました)の途上、堺筋本町の槇尾書店で、

坂部恵『鏡のなかの日本語―その思考の種々相』(筑摩書房、89年3月、330円)

ボードレール渡邊一夫訳『人工楽園』(角川文庫、平成元年11月、165円) 

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 アマゾン古書では飛び切りの安さ、

佐久間隆史『超現実と東洋の心―東洋的心性の、詩における普遍的な意味を探る』(土曜美術出版販売、17年11月、9円)

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 後はすべてオークションです。

モーリス・ド・ゲラン榊原晃三訳『マリの死に寄せる瞑想』(森開社、86年6月、2000円)

吉田一穂詩集『稗子傳』(風鐸舎、昭和51年10月、1562円)→ボン書店昭和11年刊の限定復刻版500部の内404番

川路柳虹『かなたの空』(東雲堂、大正3年5月、1910円)

「森別冊 ヴィリエ・ド・リラダン特輯」(森開社、82年12月、1510円)

『柳沢健全詩集』(木犀書房、75年7月、1510円)

小澤政雄訳詩集『露滴集』(昭森社、77年4月、1000円)

平岡昇「ジャック・カゾットの生涯と作品―解説に代えて」(国書刊行会、76年?、300円)→世界幻想文学大系の解説の抜刷。以前の版で持っていたのでこの部分だけ所持してなかった。

吉田加南子編訳『愛のフランス詩集―作品に書きたい言葉』(天来書院、07年12月、1000円)

岩﨑昇一『迂闊の人』(ふらんす堂、18年12月、821円)→タイトルからしてそそられます

相澤啓三『蛹が見る夢』(書肆山田、19年6月、605円)→歌集。表紙装画は建石修志

森内俊雄『短篇歳時記』(講談社、99年10月、561円)→「100の秀句に呼応して生まれた短篇百趣」という惹句を見て、以前『真名仮名の記』の濃密な文章が味わえるかと思ったが、期待外れの上に、黴臭くて大失敗。

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