2019-01-01から1年間の記事一覧

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化』

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化―神話・歴史・風土』(平凡社 1994年) 飲んでいて、ギリシア神話と日本神話の類似について喋っていたら、また興味が湧いてきて、その関連の本を読んでみました。藤縄謙三という名前は学生時代から知っていて、たしか『ホメ…

たにまち月いち古書即売会ほか

天牛堺書店がなくって以来、何とか大阪で古書市があるタイミングで飲み会が来ないかと思っていたら、ちょうどうまい具合に、大阪城集合の飲み会が、大阪古書会館の古書市の初日に当たりました。つい興奮して下記を購入。 鈴木信太郎譯『マラルメ詩集』(創元…

菅谷規矩雄『詩とメタファ』

菅谷規矩雄『詩とメタファ』(思潮社 1983年) 「メタファ」という言葉につられて読んでみました。2部に分かれていて、第Ⅰ部は「現代詩手帖」に長らく連載していた時評をまとめたもの、第Ⅱ部は、詩の音数律やメタファについて書かれています。菅谷規矩雄は以…

CLAUDE SEIGNOLLE「Le Rond des Sorciers」(クロード・セニョール「呪術師たちの輪舞」)ほか

CLAUDE SEIGNOLLE『Le Rond des Sorciers』(PHÉBUS 1993年) CLAUDE SEIGNOLLE『LES CHEVAUX DE LA NUIT et autres récits cruels』(marabout 1967年)(『夜の馬車―残酷譚集』) 2冊も並べていますが、実際に読んだのは、『Le Rond des Sorciers』15篇の…

近世民謡『山家鳥虫歌』ほか

浅野建二校注『山家鳥虫歌―近世諸国民謡集』(岩波文庫 1984年) 藤沢衛彦『図説 日本民俗学全集2 ことば・ことわざ・民謡・芸能編』(高橋書店 1971年)の「民謡編」のみ ポール・クローデルが『Dodoitsu』に訳している元の日本語の都々逸を読んでいるうち…

佐久間隆史『詩と東洋の叡知』

佐久間隆史『詩と東洋の叡知―詩は、計らいの、遥か彼方に』(土曜美術社出版販売 2012年) これまで読んできた海外ハイクについての本のなかで、「西洋では、俳句は見えないものが見えてくる瞬間をスナップショットのように捉えるものであり、禅と共通点があ…

天牛堺書店破産

今年初の古本報告ですが、悲しいお知らせから始めなければなりません。28日(月)、飲み会の前に、恒例の堺筋本町の天牛書店へ行ったら、シャッターが下りていて、「破産により差し押さえ」との破産管財人弁護士の貼り紙がありました。大阪に用事のある時は…

CLAUDE SEIGNOLLE『HISTOIRES VÉNÉNEUSES suivi de LA BRUME NE SE LÈVERA PLUS』(クロード・セニョール『毒のある物語集―「もう霧は晴れることはない」併載』)

CLAUDE SEIGNOLLE『HISTOIRES VÉNÉNEUSES suivi de LA BRUME NE SE LÈVERA PLUS』(MARABOUT 1976年) 新年初のフランス書。クロード・セニョールを読んでみました。セニョールを読むのは、『HISTOIRES ÉTRANGES(不思議な話)』を読んで以来(2010年12月31…

ドイツのハイク本三冊

/// 渡辺勝『比較俳句論―日本とドイツ』(角川書店 1997年) 加藤慶二『ドイツ・ハイク小史―比較文学の視点より』(永田書房 1986年) ギュンター・クリンゲ加藤慶二訳『句集 イカルスの夢』(永田書房 1986年) 今回はドイツのハイクに関する本です。『ドイ…

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙』

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙―俳句と西洋芸術』(本阿弥書店 2015年) この本は、海外俳句についてはあまり触れられていませんが、俳句を西洋芸術や西洋思想の視点から語ったものなので読んでみました。著者は国際俳句協会にも所属されているようです。少し若…

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩』

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩―一茶・クローデル・国際ハイク』(永田書房 2005年) フランスの日本文学研究者であり、自らも俳句を作っている人が一茶や、クローデルの短詩について書いた本。クローデルの『百扇帖』はまだ全訳が出て…

P=L・クーシュー『明治日本の詩と戦争』

P=L・クーシュー金子美都子/柴田依子訳『明治日本の詩と戦争』(みすず書房 1999年) また新しい一年を迎えました。今年もよろしくお願いします。年末から引き続き、海外の短詩に関する本、とりわけ必ずといって引用されるクーシューの著書を読みました。昔…