2017-01-01から1年間の記事一覧

:吉永邦治『東洋の造形』

吉永邦治『東洋の造形―シルクロードから日本まで』(理工学社 1993年) 直接幻獣とは謳っておりませんが、獅子、魔竭魚、龍神、迦楼羅について言及されているので、読んでみました。仏像の周縁に描かれている飛天や金剛力士、あるいは蓮華や唐草、霊芝雲など…

:幻獣本二冊

/// 立川武蔵/大村次郷(写真)『聖なる幻獣』(集英社新書 2009年) 森豊『古代人と聖獣』(六興出版 1975年) ともに幻獣本ですが、あまり関連はありません。『聖なる幻獣』は集英社新書ヴィジュアル版というだけにカラー写真がたっぷり入った本で、キール…

: ジョン・マーティン研究書ほか

今回は美術の分野で二冊収穫がありました。ひとつは標記の本をオークションで。昔、ジョン・マーティンの壮大な絵に惹かれて、画集がないかと探していた時期がありました。トレヴィル刊の画集を手に入れただけでしたので、英語の本だが嬉しい。もちろん絵も…

:中国の幻獣および怪異噺の本二冊

///表紙 伊藤清司『中国の神獣・悪鬼たち―山海経の世界』(東方書店 1986年) 過耀良編『妖怪畫談全集 支那篇』(中央美術社 1929年) どちらも中国の妖怪が出てくるのと、『妖怪畫談全集』に『山海経』の挿絵がたくさん収録されていることぐらいで、まった…

:Hubert Haddad『Le peintre d’éventail』(ユベール・アダッド『扇絵師』)

Hubert Haddad『Le peintre d’éventail』(Zulma 2014年) ユベール・アダッドの比較的近作で、代表作となっているようです。アダッドを読むのは二冊目。「Roman」という雑誌の幻想小説特集号で短篇を読み、ブリヨンに似た作風が気に入ってその作品が収めら…

:幻獣本二冊『天翔るシンボルたち』と『グリフィンの飛翔』

/// 張競『天翔るシンボルたち―幻想動物の文化誌』(農文協 2002年) 林俊雄『グリフィンの飛翔―聖獣からみた文化交流』(雄山閣 2006年) この二冊は読んだ順番に並べただけで、幻獣本という以外は何の関連もありません。こじつければ題名に「翔」という字…

:たにまち月いち古書即売会ほか

大阪で昔の同僚との新年会の途上、30分ほど寸暇を惜しんで、標記古書即売会を覗いたところ、珍しい本を購入することができました。まず矢野書房のコーナーで。ここはいつも私好みの文学関係の本が比較的安価で出ています。 丸山薫詩集『一日集』(冬至書房、…

:森豊の幻獣本三冊

/// 森豊『龍』(六興出版 1976年) 森豊『シルクロードの天馬』(六興出版 1979年) 森豊『シルクロードの怪神怪獣』(六興出版 1982年) これからしばらく幻獣に関する本を読んでみようと思います。まず皮切りは、森豊の「シルクロード史考察―正倉院からの…

:Marcel Béalu『Contes du demi-sommeil』(マルセル・ベアリュ『微睡物語集』)

Marcel Béalu『Contes du demi-sommeil』(Phébus 1979年) 以前読んだ高野優訳『奇想遍歴』(パロル舎 1998年)の元本。翻訳のある本は原則読まないことにしていますが、訳本に含まれていない作品が19篇あるのとのことなので、ついでに全体を読んでみました…

:『堀口大學研究資料集成』ほか

年末になぜかヤフーから大量のポイントを戴いていたので気が大きくなったこともあり、ヤフーオークションにて、次の買い物をしました。新年初の大盤振る舞いです。 松本和男個人編輯『堀口大學研究資料集成第1輯』『〃第2輯』『〃第3輯』『〃第4輯』(松本和…

:杉山二郎の雑誌連載随筆二冊

/// 杉山二郎『風鐸―歳時風物誌』(瑠璃書房 1985年) 杉山二郎『山紫水明綺譚―京洛の文学散歩』(冨山房インターナショナル 2010年) この二冊はいずれも雑誌連載を本にまとめたもので、『風鐸』が1973年から74年にかけての「週刊時事」、『山紫水明譚』は1…

:杉山二郎『大仏再興』

杉山二郎『大仏再興』(学生社 1999年) これで、大仏三部作の一応の完結と謳っていますが、まだかなり書き残していることが、最後の文章「中世から近世の推移として記述するには、さらに一冊の本を必要とする」や「作後贅言(あとがき)」の「大仏の運命帰…

:年末古書市ほか

年末は、阪神百貨店の「歳末古書ノ市」最終日に顔を出しました。私の好みの文学書を中心になかなかの品揃えでしたが、所持している本も多く、結局文庫本二冊を買ったのみ。しかも昔持っていて処分したような気がするものばかり。 荒俣宏『ギャンブル JinxⅡ』…

:「古本ときどき音楽」7年目突入にあたって

定年後の暇つぶしにと始めたこのブログも、早いもので7年目に入ることになりました。体力の衰えを感じるこの頃ですが、まだしばらくは続けたいと思います。これまで先例に漫然と倣って古書店をアルファベットのみで表記していましたが、これを機に、実名表記…