:天神さんの古本まつりと四天王寺秋の大古本祭り

 大阪での二つの古本市の同時開催初日。今年は気分を変えて、まず天神さんに行きました。というのはY書房がいつも私好みの本を出していたからです。15分前ぐらいに着いて、会場をぶらぶらしていると、K書店だけがビニールでテントの中が見られるようになっていて、覗くとフランス語の本がたくさん並んでいたので、Y書房は後回しにすることにして、4冊700円で下記を購入。
PAUL CLAUDEL『Cent phrases pour éventails』(Gallimard、96年2月、175円)→芳賀徹が『ひびきあう詩心』(TBSブリタニカ)でその魅力を存分に語っていた『百扇帖』の原書。墨で書かれた文字がそのまま印刷されているので読みにくい、が味はある。
RENÉ CHAR『POÈMES ET PROSE』(Gallimard、57年10月、175円)→ルネ・シャールも俳句のような短詩を書く人。
ルイージ・マレルバ『皇帝のバラ』(出帆社、76年5月、175円)→持っているとは思ったが念のため。案の定W買い。
北杜夫『巴里茫々』(新潮社、11年12月、175円)→新品同様。
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 次にY書房へ駆けつけましたが、すでに買われていたのか一冊のみ。
畔柳都太郎『世界に求むる詩観』(博文館、大正10年7月、500円)→これがなかなか不思議な本で、目次を掲げると「東西楊柳詩美論」「東西薔薇詩観の発達」「東西猿猴文學」「東西鶴文學」「東西犬文學」「東西猪文學」など。

 百円均一は大したものがなく、下記のみ。
梶尾真治『タイムトラベル・ロマンス―時空をかける恋-物語への招待』(平凡社、03年7月、100円)

 書砦Rで探求書が2冊見つかりました。
鈴木漠『妹背』(書肆季節社、86年10月、1500円)→鈴木漠で残すは処女詩集『星と破船』のみとなった。
ジーン・ウルフ柳下毅一郎訳『ケルベロス第五の首』(国書刊行会、04年12月、800円)
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 昼食後、四天王寺へ移動。今年から百円均一コーナーが復活していて、天神さんのよりも充実していました。
岩瀬孝『ふらんす語カタコト教室』(白水社、61年5月、100円)
永井荷風全集 第十八巻 翻訳 泰西文藝評論』(岩波書店、昭和39年10月、100円)
→レニエ「水かがみ」、カチュル・マンデス「窓の花」の訳のほか、フランスでの文学、音楽の現地報告あり。

 後半は疲れてきて、棚を見ても目はうつろ状態。それでもR館だったと思うが下記2冊を購入。
中村不二夫『〈彼岸〉の詩学―戦後詩的〈喩〉の意味』(有精堂、92年6月、300円)→多田智満子論が載っていたので。
川村湊『紙の中の殺人』(河出書房新社、89年6月、300円)→「少女の系譜」というのが面白そう。

 オークションでは、雑誌2冊。
「同時代 第3次第13号 特集:中村真一郎 追悼:宇佐見英治」(黒の会、02年12月、800円)
「比較文學研究 40」(朝日出版社、81年11月、100円)

 ネットでは、
西條八十全集5 訳詩』(国書刊行会、95年10月、669円)
→定価7400円、新品同様でこの値段。思った通りノワイユ伯爵夫人、レニエの詩が各1篇入ってました。
他に、レルベルグ、ネルヴァル、ダンセイニ、ダウスン等多数。