:オークションを中心に

 オークションを続けていると不思議なことも起こるものです。以前、オークションで競り負けたとき、入札した人が返事が遅かったために、二着の私に回って来たことを書きましたが、今度は、私の競り負けた本がもう一冊出てきたと出品者から連絡があり(本当かしらん)、譲ってもらいました。それが、
『千田光詩集』(私家版、81年11月、2500円)
 千田光は季刊「森 夭折作家特集」で、北川冬彦による紹介文を読んで以来、気になっていた人です。今回ちらりと読んでみて、期待にたがわず、その悪夢のような不思議な世界に魅惑されました。
 

 同じ出品者から、下記を購入。
オーマー・カイヤム寺井俊一訳『ルバイヤット』(アポロン社、75年4月、500円)
中野昭子『森岡貞香「白蛾」「未知」「甃」の世界―わたくしの全身をこめたわたくしのうたを―言葉・エロス・少年』(短歌研究社、平成17年11月、300円)
ディヴァン・アレタン藤島夏樹訳『風流淫婦伝』(紫書房、昭和27年7月、300円)→これは届いていみると、『ラジオメナンティ』の訳ということで、それなら角川文庫で持っていた。
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 また別の出品者から、カゾットの『恋する悪魔』の1845年刊ネルヴァル序文(84ページ)付の復刻版を入手。ほとんどのページ200点もの銅版画(Édouard Beaumont)挿絵入りで、私にしては高い買い物だったが大満足。
J.CAZOTTE『LE DIABLE AMOUREUX』(Le club français du livre、51年4月、2500円)
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 これもオークションで、いま読んでいるエルクマン・シャトリアンの狼男の話と、中世への興味に釣られて
池上俊一『狼男伝説』(朝日選書、92年11月、298円)

 近所の新古書店に自転車でふらふらと行って、下記を購入。こんな本が出ていたのは知らなんだ。
イェルク・ヴィクラム名古屋初期新高ドイツ語研究会訳『道中よもやま話―近世ドイツ滑稽話集』(講談社学術文庫、01年5月、500円)