:ネット買い古本の落し穴

 古本を買っていて、多少の汚れや破れは気にならないものの、かび臭さだけはどうも気になって仕方がありません。実際にカビが生えているものはどうしょうもない。


 店頭での購入だと臭いも確かめるので、先ず買うことはないが、ネットやオークションの場合、写真で状態は確かめられるものの臭いまでは書いてくれていません。


 今回オークションで購入したうち、2冊がおそらく同じ所有者のかび臭い土蔵で収納していたもののようで、カビ臭がとても強く、本棚に入れると他の本に伝染するような気がして、陽のあたるところに隔離しました。どうしても取れない場合は処分しようと思っています。

それがこの2冊。
河盛好蔵『パリ物語』(角川書店、昭和34年9月、720円)
田中清光『八木重吉』(麥書房、69年10月、300円)


 また鉛筆書き込みありとの注釈は確かにありましたが、こんなにひどいとは思いもしませんでした。消しゴムで消せばと思っていたら、なんと毎ページに、こんなに傍線を引く意味があるのかというぐらいびっしりと傍線が引かれていて、おまけに余白部分に何かていねいに書き込んである。まさかここまで。

それがこの1冊。
河盛好蔵編『近代文学鑑賞講座21 翻訳文学』(角川書店、昭和44年3月、810円)


 田中清光を除いては、ついでに見つけた本で、どうしてもほしいというものではありませんでした。よほど欲しい本でなければ、ネットで安直に本を買うのは避けた方がよいと思い知りました。


他にオークションでは下記の2冊を購入。これは大変満足の行くきれいな本でした。
アンリ・ド・レニエ窪田般彌訳『ヴェネチア風物誌』(出帆社、76年6月、1000円)
平川祐弘ルネサンスの詩』(沖積舎、昭和57年11月、300円)
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 市内の古本屋でバルトルシャイテス著作集4巻揃いを珍しく見つけました。2冊すでに所有しているので、2冊だけ分けてもらえないか交渉したところ、古本屋のおじさんはなかなか物分りの良い方ですんなりと売ってくれました。この本が出だした頃はあちこちでよく見かけたので、いつでも買えると思っていたら、最近はほとんど見かけなくなりました(とくに『イシス探求』)。


バルトルシャイテス著作集3有田忠郎訳『イシス探求』(国書刊行会、92年11月、3000円)
バルトルシャイテス著作集4谷川渥訳『鏡』(国書刊行会、94年11月、3000円)