:名古屋本2冊、岩中祥史『名古屋学』、清水義範『笑説大名古屋語辞典

   
 古本報告がないので、最近読んだ名古屋に関する本について。
この2冊を読んでの感想は、名古屋は関東よりは関西に近い!というものです。(実際に距離も近いが)

 『名古屋学』のなかで名古屋の特徴として挙げられているものは関西の特徴でもあります。

  1. タクシーの運転手の愛想がよい。
  2. プロ野球地元球団に対する熱狂的な態度。
  3. ベンツはあまり見かけない。
  4. またこの本自体の書き方が、大阪学と同様、自分たちの姿を若干卑下自嘲しながら認識しようとしているところ。(自嘲しながらところどころ自慢しているのは可愛い。)

 東京では東京論や江戸論など、都市についての書物はたくさん出ているが、住んでいる人の性向をこのように分析した本はないのではないでしょうか。

 この本以外にも、私が見聞する限りいくつかの証拠があります。

  1. そば屋よりうどん屋の方が多い。
  2. 吉本新喜劇を同じ時間帯でテレビで放送している。
  3. 男性はとくに大声で話す。

 また『笑説大名古屋語辞典』のなかで清水氏が名古屋弁としてあげている下記の言葉は明らかに関西のものでしょう。
あんじょうやっといて、おちょける、こすい、ちゃんと、どべ、もたん、もろ、もん、ようけ、よばれる、れーこー、わや、してまう

 名古屋が関西と違うところもよく分かりました。

  1. 茶店文化が存続していること。
  2. 地元紙が強固に存在していること。また地元スポーツ紙の存在(関西のスポーツ紙は全て東京製作)
  3. 東京では名古屋出身はそれと知られないように生息している。
  4. 住宅が安くてひろい。→これは実感します。
  5. 夜の繁華街が早くて清潔。→大阪のように密集して猥雑なところが少ない。
  6. 言葉のアクセントは東京に近い。