:寒い季節はオークションで

 このところ全国的に猛烈な寒波が襲来していますが、生駒の山裾にも寒気が押し寄せ、自転車で外をふらふらするのもままならなくなってきました。昔はこういう時でも、鼻水をすすりながら古本屋めぐりをしていたものですが、齢も重ね時代も移り変わった今となっては、もっぱらオークションということになります。

 いつも格安で提供いただいているK書房から2冊購入。ここは店売りもやっていて、昔都内から横浜の仕事場に通っていた時期は、行き帰りに途中下車をしてときどきお邪魔していたものです。詩や短詩型の本が充実していました。
久野豊彦『ブロッケン山の妖魔』(工作舎、03年3月、420円)→ときどき古本市で新興芸術派叢書のものなど見かけていたが、新刊も出ていたとは。どんな内容かよく知らないまま購入。
フランシス・グリーアスン日夏耿之介訳『近代神秘説―付=神秘思想と近代詩』(北宋社、96年11月、610円)→これも古本市で色彩のどぎつい箱入り本をよく見かけるが、難しそうな字が詰まっていて読めそうにないので敬遠していた。新しくきれいな割に安いので購入。
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 こちらは、別の出品者で英文学関係を2冊。
戸川秋骨『英文學覺帳』(第一書房昭和6年6月、1000円)→大昔買ったまま大事に置いてある『エイルヰン物語』の訳者。「人を喰った夢想郷」「月の世界日の世界」「フィオナ・マクロオドより」など面白そうな目次あり。ちらりと見た限り素直な人柄が滲み出ていて親しみやすい文章。
ホルブルック・ジャクスン小倉多加志訳『イギリス世紀末英文学―1890年代』(千城書店、昭和30年9月、510円)→立派な増補新版が出ているようだが、これくらいが手頃。人名のオンパレード。
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 あとは1冊ずつ別の出品者から。
バルベー・ドールヴィイ宮本孝正訳『亡びざるもの』(国書刊行会、05年11月、1950円)→「真紅のカーテン」を読んで以来ドールヴィイに関心が高まっているので。タイトルといい装幀といいわくわくするではありませんか。

『新版 京都音楽空間―音に出会える店案内』(青幻舎、07年4月、300円)→音楽の好きな友人と京都で月1回程度飲み会があり、その店選びのために購入。