:キンドル購入、マラルメ訳マネ挿画のポー『大鴉その他の詩篇』を100円で入手。

 新聞の折り込みチラシに、近所の電気店で「キンドル」を売っているのを見つけ、早速買いに行きました。ペーパーホワイトの一番安い奴です。

 とりあえずためしに、本では所持しているレニエ森鴎外訳「不可説」をダウンロードして読んでみると、なかなか字の感じといい、紙質を思わせる背景の白さといい、なまじっかな本よりも味わい深いと感じられるところがあります。

 嬉しくなって、次々と青空文庫の無料のものをダウンロード。
マルセル・シュウォッブ上田敏訳「浮浪学生の話」「法王の祈祷」「癩病やみの話」、幸田露伴「印度の古話」

 他にも、泉鏡花(100冊ぐらいあるか)、永井荷風(10冊ほど)、黒岩涙香(3冊か)、小栗虫太郎(3冊)、夢野久作(無数)、国枝史郎(50冊ほど)など、無料本!が多数あることを見つけました。慌ててダウンロードしようとしましたが、よく考えると、読みたいときだけダウンロードすればよいので、蔵書になっているのも同然なのだ。

 フランス語の本も無尽蔵にあることが判明。ボードレールやネルヴァルの全集がなんと158円、モーリス・ロリナ、アンリ・ド・レニエ、ヴェルハーランの選集も158円、先ごろ興味の湧いたレオン・ディエルクス全集も158円、マルセル・シュオブの『モネルの書』は無料。他にもモーリス・ルナール、ジャン・ロラン、エルクマン・シャトリアン、ポール・フェヴァル、ジュール・レルミナなどたくさんラインアップされています。もちろんヴィヨン、ラブレーラシーヌユゴーなど古典も無料もしくは158円クラスでそろっています。

 そのなかで、かねて欲しかったマラルメ訳マネ挿画のポー『大鴉その他の詩篇』をなんと!100円でダウンロード、パラパラと読んでみましたが、平易で美しい文章。仏仏辞書も内蔵されていて、分からない単語を押さえると簡単な説明が出てくるので便利。もちろん鈴木信太郎マラルメとマネの署名入りの本を所蔵していると自慢している1875年に刊行された実際の本とはまったく異なる世界のものですが、その片鱗が味わえるというものです。