:たにまち月いち古書即売会と弁天町オーク200古本祭り他


 先日、関西の古本仲間で古書市のはしごをし、私にとっては久しぶりの古書市を堪能しました。とくに弁天町古本祭りは屋根がガラス張りのところで開催されていたので、野外古本市に行った時のような開放感がありました。


 二つの古書市でまだ飽き足らず、宴会の部に移る前に、阪急東通商店街のS書店へも行きましたが、ここは弁天町の開放的な雰囲気とは打って変わって、窓もなく黒っぽい本ばかり並ぶ陰気な狭い部屋。しかもクーラーがないので蒸し暑くて長く見ているのがとても大変でした。


 黒っぽい本が多いからでしょうか、一度見たはずの棚をもう一度見ると、さっきはなかったはずの本が見つかります。不思議なことに何度見てもまた出てきます。そこでメンバーの一人より「本棚をじっと見ていると本は滲み出てくる」との名言が発せられました。
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 大阪古書会館では、植村達男『本のある風景』を見つけてまずまずの滑り出し。以前『神戸の本棚』を読んで懐かしさに感激し、もう一つの著書であるこの本を探していました。堀切直人は昔から愛読している人。『イギリス怪奇幻想集』は見たことのない本だったので購入。
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 弁天町では、I書店とMブックスで主として購入。
伊東静雄『詩集 反響』を超格安で購入のほか、前川祐一『イギリスのデカダンス』、丸木砂土『結婚廣告』が収穫。日影丈吉ふらんす味遍歴』はこの古本市の別の棚では1500円で出ていました。丸山熊雄『1930年代のパリと私』は知らない人の本ですが、貴重な裏話が聞けそうです。
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 S書店ではメンバーから譲っていただいた辰野隆『えとせとら』、上品な装幀と活字が美しい山内得立『ホモ・ヴィアトール』が収穫でした。『小酒井不木全集第二巻』は家に帰ってからすでに所持済みと判明。


以下購入書目です。
アナトオルフランス山内義雄訳『影の彌撒』(新潮社、大正13年5月、200円)
小酒井不木全集第二巻』(改造社昭和4年10月、500円)
安倍能成『青丘雑記』(岩波書店昭和17年7月、200円)
丸木砂土『結婚廣告』(東邦出版株式会社、昭和22年9月、800円)
伊東静雄『詩集 反響』(創元社、昭和24年9月、200円)
辰野隆『えとせとら』(三笠書房、53年6月、200円)
矢代幸雄『世界に於ける日本美術の位置』(新潮文庫、昭和31年9月、200円)
山内得立『ホモ・ヴィアトール』(能仁叢書、昭和33年3月、100円)
島田謹二編『佐藤春夫詩集』(彌生書房、昭和49年11月、100円)
植村達男『本のある風景』(勁草書房、昭和53年1月、500円)
日影丈吉ふらんす味遍歴』(KKロングセラーズ、昭和53年1月、600円)
丸山熊雄『1930年代のパリと私』(鎌倉書房、昭和61年12月、1000円)
W・デ・ラ・メア荒俣宏訳『妖精詩集』(ちくま文庫、88年5月、300円)
堀切直人『大正流亡』(沖積舎、平成10年11月、1200円)
前川祐一『イギリスのデカダンス―綱渡りの詩人たち』(晶文社、95年12月、1800円)
岡達子訳編『イギリス怪奇幻想集』(現代教養文庫、98年3月、300円)
川本茂雄編『フランス語統辞法』(白水社、07年3月、2000円)


 先週は別の日大学時代の友人と西大寺で飲み会をした時にも、少し早めに出てT書店に立ち寄り下記の2冊を購入。
瀬田貞二『幼い子の文学』(中公新書、03年3月、200円)
鴻巣友季子『明治大正翻訳ワンダーランド』(新潮新書、05年10月、200円)


 古本病が復活したようです。