:たにまち月いち古書即売会ほか

 大阪で昔の同僚との新年会の途上、30分ほど寸暇を惜しんで、標記古書即売会を覗いたところ、珍しい本を購入することができました。まず矢野書房のコーナーで。ここはいつも私好みの文学関係の本が比較的安価で出ています。
丸山薫詩集『一日集』(冬至書房、昭和44年9月、300円)→限定500部。紙質といい印字の鮮やかさといい、冬至書房の復刻のほうがほるぷ出版のよりも質感がいい。もちろん詩もすばらしい。
村井英夫譯『グウルモン詩集』(聚英閣、大正14年12月、300円)→村井英夫という人は知らないが落ち着いた訳のよう。「シモーヌ」のリフレインの訳は「シモオヌ、おまへの髪毛の森には/たいへんな不思議がある」。
中込純次仏蘭西譯詩集『海の墓』(文園社、昭和17年6月、500円)→シャルル・ゲラン、レルベルグ、レニエ、ヴェルアレンなどに惹かれて。

 寸心堂という書店も安い値付けで嬉しい。
ROGER CAILLOIS『L’écriture des pierres』(Albert Skira、70年、300円)→訳本は所持しすでに読んでいるが、原版の写真が美しかったので。それにしても安い。訳本はいま1万円ぐらいしている。
矢野目源一譯『ヴォルガ浮かれ噺』(アソカ書房、49年4月、200円)→裸本。ちらっと読んだかぎりでは、イタリアのノヴェッラやフランス中世艶笑譚と同一系統の話もあるみたい。


 別の日、麻雀会の途上、堺筋本町天牛堺書店船場店にて、480円均一。
笹間良彦『人魚の系譜―愛しき海の住人たち』(五月書房、99年1月、518円)→幻獣本のひとつとして。

 オークションでは、
黒田辰男『ロシア・シンボリズム研究』(光和堂、79年10月、1000円)→700ページほどもある。ロシアの詩人たちは、フランスのサンボリスト以上に熱心に象徴主義の本質について論じているようだ。

 アマゾンの古本で、
森豊『古代人と聖獣』(六興出版、昭和50年1月、70円)