年末報告、谷町月いち古書即売会ほか

 今年は、年末の阪神古書ノ市がなくて寂しくなりました。
 今月は、小学校時代の友人とサイクリング仲間を偲ぶ昼酒会を淡路で催した際、ちょうど谷町月いちの初日だったので、朝早くから出かけました。谷町古書会館に到着すると、まだ開場前で、20人ぐらいが列をなしていました。東京古書会館ではよく並びましたが、久々の経験をしました。

 まず、いつもの矢野書房では、
水谷まさる『薄れゆく月』(大日本雄弁会昭和2年4月、500円)
→同じ本が、1500円でも出ていたが、そちらの方は美本だったみたい。
 真木書店の棚で、
ジョルジュ・サンド平井知香子訳『コアックス女王』(青山社、92年12月、500円)
→外函に穴が開いていて表紙の一部が見えるようになっている。
 唯書房で、
松田修『江戸異端文学ノート』(青土社、93年8月、800円)
栗原成郎『ロシア民俗夜話―忘れられた古き神々を求めて』(丸善ライブラリー、平成8年4月、200円)
 こうせいではたくさん買いました。
増原良彦『あべこべの論理』(日本書籍、昭和53年12月、400円)
→仏教の本をたくさん書いているひろさちやが本名で書いた本
「ロシアの文学・思想 えうゐ 特集:追悼 鷲巣繁男」(白馬書房、83年10月、200円)
中嶋斉『呪術としてのデザイン』(彩流社、94年10月、1200円)
          
 話は逸れますが、淡路にはたくさん大衆居酒屋があるに違いないと見込んでいたのが、思いの外、昼だけで閉める定食屋ばかりで、仕方なく王将で1時から4時まで飲み続けるということになりました。


 別の日、恒例の近鉄阪神沿線呑み歩きの打出駅界隈での会合のついでに、阪神西宮駅で降りて、栄文社書店というところへ寄りました。私の興味の範囲の本がたくさん並んでいましたが、だいたい持っている本ばかり。ご挨拶ということで一冊だけ購入。
上野誠『魂の古代学―問いつづける折口信夫』(新潮選書、08年8月、500円)


 一昨日、友人宅での忘年会へ行く途中、緑地公園駅で下車して、天牛書店へ。1時間ほどうろうろして、結局、均一本二冊を買ったのみ。
大岡信/谷川俊太郎『対談 現代詩入門』(中公文庫、89年4月、50円)
→同じ二人が対談した『詩の誕生』(エッソ広報室「エナジー対話」シリーズ)も持っていて、一瞬重複かと思ったが、別の内容だった。
春日直樹『ミステリイは誘う』(講談社現代新書、03年1月、50円)
→読者の立場からの斬新な切り口でミステリーを語っている。


 ネットでは、いつも買っているhyperboleさんから、
VINCENT MUSELLI『les DOUZE PAS des MUSES』(PIERRE GAUDIN、52年5月、500円)
→フランス詩史ではよくお目にかかる名前だが実際に詩を見るのは初めて。大判の詩集。
高知県立美術館ほか編『闇を刻む詩人-日和崎尊夫 木口木版画の世界』(高知県立美術館ほか、95年7月9日、630円)
→昔から、木口木版画に惹かれているが、日本での大御所と言える人の美術展カタログ。
八木章好編『中国怪異小説選』(慶応大学出版会、00年7月、629円)
→代表的な中国の怪異短篇を、白文に続き、読み下し文と単語解説を施している。原文を一度読んでみたいと思って。
河合隼雄明恵 夢を生きる』(講談社α文庫、2007年9月、280円)
→これから夢の本を読もうと思っていて、所持してるはずだが見当たらないので。
城侑詩集『不名誉な生涯』(国文社、60年8月、330円)
→先日も永井元章の『逃亡用迷路』の項で書いたが、安原顯が永井元章について城侑の詩に似ていると書いていたので興味が湧いた。なんだか面白そう。