四天王寺秋の大古本祭り報告ほか

 報告が遅くなりましたが、10月初旬、四天王寺秋の大古本祭りの二日目に行ってまいりました。コロナでたびたび中止となり、1年ぶりの開催とのことでした。本格的な古本市は久しぶりだったせいか、はじめの1時間は何も買わずにうろうろするだけでしたが、1冊買ったとたんに堰が切れたように買ってしまいました。不思議なものです。今回はいつもに比べて高額な本が目立ちます。

窪田般彌『ヴェルサイユの苑―ルイ十五世をめぐる女たち』(白水社、88年7月、150円)
小林恭二『実用 青春俳句講座』(福武書店、88年6月、150円)→以上二冊は「ぶんさい」の出品、どうやら店主がお亡くなりになったようで、値付けよりさらに半額になっていた。合掌。
山田登世子『リゾート世紀末―水の記憶の旅』(筑摩書房、98年6月、1300円)→フランスの温泉地や海水浴場の話が読めるかと期待して。シアルの出品。
ドーデ萩原彌彦譯『巴里の三十年』(創藝社、昭和26年9月、300円)→1857年から1887年までのパリをドーデとともに生きることができると期待して。池崎書店。
清宮伸子『ロワールの贈り物―ルリュールとの出逢い』(沖積舎、00年7月、1000円)→アカデミィ(広島からわざわざ出店)。
小山勝治『荷風パリ地図―日本人の記録』(毎日新聞社、昭和39年7月、500円)→小門勝二の本名。本棚をよく見たら、旺文社文庫で持っていてかつ20年ほど前に読んでいた。
MICHEL HERBERT『LA CHANSON À MONTMARTRE』(LA TABLE RONDE、67年7月、1000円)→シャ・ノワールを舞台とする当時の詩人たちが総出の本。以上二冊、楽人館。
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 家に帰って鏡を見ると、古本を見過ぎたのか、あるいは古本市のあと仲間と飲んだ酒のせいか、右目が真っ赤になっておりました。

 オークション、ネットでの買い物は下記のとおり。
『齋藤磯雄著作集Ⅳ―書簡・日記他』(東京創元社、平成5年6月、892円)→書簡は、日夏耿之介、阿藤伯海、長谷川潔渡辺一夫と。
谷川渥対談集『芸術の宇宙誌』(右文書院、03年12月、1650円)
青木信『エセー塚本邦雄―往きゆきてつひに還らぬ』(書肆季節社、93年11月、300円)
中平解『霧の彼方の人々』(清水弘文堂、91年7月、1200円)→回想録
ヘルベルト・フォン・アイネム藤縄千艸訳『風景画家フリードリヒ』(高科書店、92年9月、935円)
グリーアスン遠藤貞吉譯『近代神秘思想』(聚芳閣、大正15年6月、800円)→日夏耿之介譯で持っているが、附録として、「ケルト気質」等の論文13篇が入っていたので。
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 最後に、古本ではありませんが、珍しい本を買ったのでご報告。
谷内修三『誤読―嵯峨信之「時刻表」を読む』(象形文字編集室、17年9月、1500円)→ブログをもとにしたオンデマンド出版。批評的な言葉が付け加えられることで、元の詩がいっそう引き立つ。