四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本まつりほか

 少し間を置きましたが二つの古本市の報告。最近古本市に行っても、大きな本は買うのをためらわれることが多くなりました。これはわれわれ年寄り古本仲間の共通の傾向です。四天王寺の古本市は、用事があって三日目の日曜日に馳せ参じました。三日目ともなると初日とは違い悠長なもので、10時の開場前にほとんどの店がもう開いていました。とくにこれといったものはなく、薄くて小さな本ばかりを購入。

ピーター・V・マリネリ藤井治彦訳『牧歌』(研究社、昭和48年10月、100円)→100円均一コーナー

浅沼圭司『映ろひと戯れ―定家を読む』(小沢書店、78年5月、200円)→池崎書店の安売り棚

CHARLES BAUDELAIRE『LES FLEURS DU MAL』(Jean-Claude Lattès、87年10月、300円)→文庫本ぐらいの大きさで、手元に置いて読むにはぴったり。これも池崎

川本三郎『大正幻影』(新潮社、90年11月、200円)→ピエト文庫

池内紀カフカのかなたへ』(講談社学術文庫、98年1月、166円)

金岡秀友『日本の神秘思想』(講談社学術文庫、93年8月、167円)

柴田宵曲小出昌洋編『新編 俳諧博物誌』(岩波文庫、99年1月、167円)→以上三冊、小野書店3冊500円

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 天神さんの古本市は、初日に行くことができました。フランス書を大量に出しているはずの寸心堂が今回はドイツ語の本ばかりだったのと、いつも何か掘り出し物がある矢野書店が不作で、期待外れと言ったところです。光国家書店がびっくりするほど安値でいろんな本を出していましたが、ほとんど持っている本で悔しい思いをしました。

イヴォン・アラバール山田直訳『詩の心理学』(書肆ユリイカ、56年10月、500円)→矢野書房

藤武夫『ヨーロッパの劇場』(相模書房、昭和34年2月、100円)→100円均一コーナー

蔵持不三也『ワインの民族誌』(筑摩書房、88年9月、500円)→キトラ文庫

鶴岡善久『詩的磁場を求めて』(JCA出版、78年9月、150円)→W買い。

渡辺守章/山口昌男/蓮實重彦『フランス』(岩波書店、83年5月、150円)→以上2冊光国家書店

フリートマル・アーペル『天への憧れ―ロマン主義、クレー、リルケベンヤミンにおける天使』(法政大学出版局、05年4月、300円)

W・S・マーウィン北沢格訳『吟遊詩人たちの南フランス―サンザシの花が愛を語るとき』(早川書房、04年4月、300円)→以上2冊梁山泊 

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 天神さんの帰りに天神橋筋の天牛書店に立ち寄ったところ、先日読んだ『ミニマ・フィロソフィア』で引用されていた『家族の深淵』と『耄碌寸前』があり、まずまずの収穫。

堀江敏幸『その姿の消し方』(新潮社、17年3月、380円)

森於菟『耄碌寸前』(みすず書房、11年11月、950円)

中井久夫『家族の深淵』(みすず書房、95年12月、880円)

高山宏『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所、92年11月、900円)

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 別の日、会社OB総会が上本町であったので、一色文庫に立ち寄り、下記。

正岡容荷風前後』(好江書房、昭和23年11月、500円)

中野美代子塔里木(タリム)秘教考』(飛鳥新社、12年1月、1000円)

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  ネットでは、「日本の古本屋」で、名古屋の山星書店から下記の珍しい本。

よさのひろし『リラの花』(東雲堂、大正3年、3560円)→フランスの訳詩集。奧付きなし。与謝野寛の詩は大言壮語風で嫌いだが、訳詩はそうでもないと思い。ダンヌンチヨ、レニエ、ヹルアアラン、メテルランク、ノアイユ女史、マアグルなど、知らない詩人もたくさんいる。

 

 アマゾン古書で、

嶋岡晨『隅田川とセーヌ河―フランス詩の受容』(日本図書センター、01年4月、1407円)

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 ヤフーオークションでは、

河盛好蔵訳編『紅毛徒然草』(朝日新聞社、昭和28年12月、290円)→レニエ「どんく」が入っていたので。

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