:東京の古本市二つほか

 昔勤めていた部署のゴルフ会に呼ばれて、東京へ行ったついでに、昨日、神保町の和洋会と高円寺の西部展を覗いてまいりました。昔は二つも古本市を回れば、リュックがはち切れるほど満杯になっていたのに、今回は7冊。歳のせいですかな。

 神保町和洋会では、文字どおり和と洋の知らない人の詩集を各一冊と評論一冊。LUC ESTANGはNERVALのエピグラフが掲げられていて幻想詩篇の味わいがあるかと。平野萬里は明星風の明治浪漫調に惹かれて。
LUC ESTANG『D’une nuit noire et blanche』(GALLIMARD、62年10月、1000円)
『平野萬里全詩集』(砂子屋書房、06年10月、1000円)
粟津則雄『詩歌の楽しみ』(角川書店、昭和54年12月、300円)
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 神保町ではほかに田村書店にも寄りました。下記二冊を購入。
CATULE MENDÈS『ZO’HAR』(G.CHARTENTIER、1886年?、2000円)
ANDRE DHÔTEL『Un soir...』(GALLIMARD、77年4月、1000円)

 高円寺では次の二冊。上田周二は小田仁二郎や堀内幸枝らマイナーな作家、詩人の横顔が窺えそうで。ファブルは表紙と山内義雄訳に期待して。
上田周二『深夜亭交遊録』(沖積舎、平成元年11月、400円)
フェルディナン・ファブル山内義雄訳『美しき夕暮』(新樹社、昭和24年3月、300円)
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 ついでに都丸書店分館へ行こうとしたらなくなっていて、聞けば荻窪に移転したとのこと。店名も3、4年前から都丸ではなくて、藍書店になっていたと教えられました。


 ほかに、大阪堺筋本町天牛書店で。
ドミニック・ランセ阿部良雄/佐藤東洋麿訳『19世紀フランス詩』(文庫クセジュ、91年4月、162円)
窪田般彌『物語マリー・アントワネット』(白水社、91年6月、162円)

 ネットでは、ベルギー象徴派の詩人をインドのリプリント版で購入。送料込みでこの値段。
Iwan Gilkin『Ténèbres』(Edmond Deman、1892年、1164円)

 ヤフーオークションで、
高山宏/巽孝之マニエリスム談義―驚異の大陸をめぐる超英米文学史』(彩流社、18年4月、1260円)
エルンスト・ハーニッシュ/ウルリケ・フライシャー植和田光晴訳『広く知られし時代の蔭に―ゲオルク・トラークルの時代のザルツブルク』(三修社、95年12月、648円)
川村二郎『懐古のトポス』(河出書房新社、75年7月、324円)
『文車の旅―若い古本屋の見たヨーロッパ』(文車の会、昭和48年3月、50円)→ヨーロッパの古本事情が書いてあると思ったら、単なる観光見物記でがっくり。
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 アマゾンでは、
秋山澄夫譯『マラルメ詩集』(角川文庫、昭和29年11月、999円)→文庫本なのに結構高い。それでも元は1499円。書き込みがあるという理由で500円負けてくれた。
 日本の古本屋で、
M・ブリヨン高波秋訳『愛と死と音楽―西欧ロマン派の心』(ジャン・ジャック書房、04年11月、700円)→こんな本が出ているのは知りませんでした。