:オークション、ディスプレイ用洋書11冊2000円で掘り出し

 オークションで、ディスプレイ用洋書一括というのをよく見かけます。そういう場合はたいてい一冊ずつの紹介がないので、背表紙を必死になって読み取ったりしますが、今回そうした苦労が実り、探求書を見つけることができました。
G.O.CHÃTEAUREYNAUD『Les Messagers』(Grasset、74年1月、400円)
G.O.CHÃTEAUREYNAUD『La Belle Charbonnière』(Grasset、76年2月、400円)
YVES RÉGNIER『Les Ombres』(Grasset、63年10月、400円)
YVES RÉGNIER『Le royaume de Bénou』(Grasset、57年9月、400円)
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 シャトレイノーは以前『LE KIOSQUE ET LE TILLEUL』というのを読んで面白かった作家(2013年9月2日記事)。上記2作はシュネデールが『フランス幻想文学史』で取りあげている代表作で、そのうち『使者』はイニシエーションの旅の物語で練達の技法が認められると高く評価しています。イヴ・レニエは、先日読んだバロニアンの『Panorama de la littérature fantastique』で、詩的幻想作家として、シュペルヴェイユやランブール、ドーテルと並んで紹介されていました。
 残りの7冊も念のため、目次や謳い文句に目を通してみましたが、1冊を除いて読む気の起こりそうなのがなく、残り6冊は廃棄することにしました。都合2000円で5冊を買ったことになるので、単価を400円としています。その1冊が、
HELENE CIXOUS『Dedans』(Grasset、69年11月、400円)

 作品も作家もまったく知りませんでしたが、次のような謳い文句に惹きつけられました。「閉塞小説。語り手は生まれた家に避難しかつ囚われた状態。外へ出なければならないが、外へ出ることは死を意味するというディレンマに陥っている…攻撃的で時には血を見る悪夢が綴られる…」。


 オークションでは他に、
M・ビュトール高畠正明訳『ボードレール―HISTOIRE EXTRAORDINAIRE』(竹内書店、70年11月、324円)
スティーヴン・ミルハウザー柴田元幸訳『魔法の夜』(白水社、16年6月、734円)
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 古書店では、麻雀会の日にいつもの堺筋本町天牛書店にて、下記。
R・R・ベーア和泉雅人訳『一角獣』(河出書房新社、96年1月、1058円)

 前回の古本報告の際、アマゾンで格安品を見つけ発注したと書きましたが、届いた本はカビ臭が凄い。値段は正直です。これは買い直さなくては。とりあえずここには書いておきます。
尾島庄太郎『欅の家』(北星堂書店、昭和45年7月、92円)