:天神さんの古本まつりと四天王寺秋の大古本祭り他

 先週金曜日、天神さんの古本まつりと四天王寺秋の大古本祭り初日に行ってまいりました。ネットでどちらを先に見るのがいいかという話題が出ていたようですが、われわれ古本仲間では、少なくとも百円均一コーナーに関する限り、天神さんのほうがよいという評判でした。理由は破格の出物があるということで。全体でも、四天王寺はひところの勢いが薄れてきているようです。

 というわけで、天神さんからスタート。開場前、大勢の人が百円均一に群がるのを避けて、私はここ数年ヒットが続いていたY書房の棚に陣取りましたが、今年は出物もなく、下記1冊をお付き合いしたのみ。
藤澤衞彦『日本民謡研究』(六文館、昭和7年4月、300円)

 やはり百円均一がよかったようです。ここでは5冊。その中でとりわけの収穫は下記のフランス書2冊。プレイヤード版は1000円のを見つけた時ずいぶん安いなと思いましたが、今回はなんと100円! 他に「変身譚」などギリシア・ローマ時代の物語を集めた巻もありましたがフランス語ではとても読まないだろうと断念。プレイヤード版以外にも、フランス語原書がGOBINEAUやGAUTIERなどたくさん出ていました。所持しているものも多かったので、Paul-Jean Touletのみ購入。
DUMAS『LES TROIS MOUSQUETAIRES』(BIBLIOTHÈQUE DE LA PLÉIADE、66年4月、100円)
Paul-Jean Toulet『Les trois impostures/ Le mariage de Don Quichotte/ Les demoiselles de Mortagne 』(Union Générale、85年9月、100円)
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 他の3冊は、最近の関心に寄せて。
『世界文學大系68アラビア・ペルシア集』(筑摩書房、昭和39年8月、100円)→学生時代に持っていたが、汚いので処分していた。100円にもかかわらずとても状態がいい。黒柳恒男訳「ルバイヤート」が目的。296首もある。
井上究一郎譯『セヴィニェ夫人手紙抄』(岩波文庫、昭和25年4月、100円)→吉田健一が『ヨーロッパの人間』で18世紀散文の頂点と絶賛していた。これも昔持っていた本。
和歌森太郎監修牧田茂他編『天皇むかしむかし』(角川文庫、昭和53年2月、100円)

 あと、天神さんでは下記1冊のみ。
ニール・ジョーダン山田和子訳『獣の夢』(福武書店、92年1月、500円)

 昼食の後、四天王寺に移動。2時間半ほど見ましたが、結局3冊のみ。このなかでは、見たことのなかった下記の1冊が、奇怪な造形の写真満載で面白そう。本日一の収穫か。
永邦治『東洋の造形―シルクロードから日本まで』(理工学社、93年4月、600円)
他に、
ヘンリー・ジェイムズ千葉雄一郎訳『フランスの田舎町めぐり』(図書出版社、92年10月、700円)
東秀紀『荷風ル・コルビュジエのパリ』(新潮選書、98年2月、250円)
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 オークションでは、
グザヴィエ・フォルヌレ辻村永樹訳『失われた時』(風濤社、15年7月、1980円)→こんな新刊が出ていたとは知らなんだ。
「流域 22」(青山社、昭和62年11月、570円)→京都発のフランス文学の雑誌。
シング姉崎正見訳『アラン島』(岩波文庫、77年9月、299円)
田中清光『再生』(思潮社、00年6月、300円)
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