:たにまち月いち古書即売会不発

 先週末、大阪古書会館の古本市最終日に行ってまいりました。最終日のせいか、それともこちらの体調が悪かったせいか、めぼしいものがなく、おまけにK文庫の店員らしきのが3名ほど、客たちがいる中で大声をあげながら書棚の整理をはじめ、書棚から本をどんどん抜き出しては横に積み上げて行くその傍若無人な態度に腹が立ったこともあり、何も買わずに出てきました。古本市で何も買わないというのは珍しいことです。

 その足で天神橋筋商店街の古本屋をまわりましたが、T書店で、
カレル・チャペック石川達夫訳『受難像―チャペック小説選集1』(成文社、95年10月、800円)
中井英夫『墓地―終りなき死者の旅』(白水社、84年11月、600円)→これはしばらく探していたもの、見つけても高かったり汚れていたりで買い延ばししていた。
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 帰り道、四天王寺夕陽丘まで乗り過ごしてI文庫へ。ここではいつもたくさん買ってしまいます。
上田敏海潮音』(ほるぷ、昭和52年10月、100円)
堀江敏幸『回送電車』(中公文庫、08年6月、300円)
堀江敏幸『一階でも二階でもない夜―回送電車Ⅱ』(中公文庫、09年12月、300円)
藤澤清造根津権現裏』(新潮文庫平成23年7月、250円)
ジャン・コクトー堀口大學訳『阿片―或る解毒治療の日記』(角川文庫、平成元年6月、100円)


 次は、10月末の話。難波駅のところにT書店の支店が新しくできたので、様子を見に行きました。古本コーナーは思ったよりスペースが少ない。しかし夜11時まで開いているので、飲んだ帰りなどに冷やかすのは最適。この日は580円均一、本を一冊買ったら開店祝いにボールペンを戴きました。
ミシェル・ドラゲ編『ベルギー象徴派展 2005-2006』図録(ホワイトインターナショナル、580円)→この展覧会は知らなかった。1990年の「ベルギー象徴派展」は見ているのだが。

 別の日、同じT書店堺筋本町店でも580円均一。難波店で見た本がたくさん並んでいました。一つの倉庫からあちこちの店に順番に持って行っているわけです。しかし見なかった本もたくさんあって、下記三冊を購入。
近田武『レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ試論』(校倉書房、85年11月、580円)
手塚昌行『泉鏡花とその周辺』(武蔵野書房、89年7月、580円)→目次に「泉鏡花の文学と『アラビヤン・ナイト』」「『全世界一大奇書』について」という章があるのを見れば買わないわけにはいかない。
ロベルト・シュナイダー鈴木将史訳『眠りの兄弟』(三修社、01年12月、580円)→オルガンの出てくる音楽小説のよう。
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 同じ日、T書店大江橋店で、380円均一。
上田三四二『花に逢う―歳月のうた』(平凡社、83年4月、380円)


 オークションでは、長年の探求書、畑耕一の『怪異草紙』を入札するも、5000円以上の高値になってしまったので断念し(本の状態が良くなかったのにもよるが)、その腹いせに、同じ著者の別の本を落札しました。
畑耕一『変態演劇雑考』(文藝資料研究會、昭和3年9月、500円)→文藝資料研究會の『変態○○』シリーズを買うのは初めてです。「変態」というのは変わり種といった意味で、別にサドマゾ演劇について書いているわけではありません。「怪奇演劇篇」という章が50ページ近くあります。