:百万遍智恩寺の「秋の古本まつり」

 一昨日は、百万遍の恒例「秋の古本まつり」に行ってまいりました。昔のことはよく覚えていませんが、第一回からずっと(関西を離れていた時以外は)参加し続けてきました、と思います。今年はNEXUS7に不完全だが購入書リストを取り込んで行ったので、怪しいのはその都度チェックして重複買いを3冊も排除することができました。


 早朝、会場に着く前に、Rの前に黒山の人だかり。私もまじって、
工藤好美『ペーター研究』(京文社、大正13年8月、200円)→とても読まないと思うが、『享楽主義者メイリアス』のことが出ていたので。
H・ゼーデルマイヤ森洋子訳『光の死』(鹿島出版社、昭和51年6月、200円)→「スレアリスムとシュールレアリスムまたはブルトンプロティノスについて」という論文が入っているのを見て。
JEAN-NOËL BENOIT『Approche』(LA PENSÉE UNIVERSELLE、82年、100円)→詩集。解説にリルケヘルダーリンの影響を受けたと書いてあれば、買わないわけにはいかない。
の三冊を購入。ここで林哲夫さんと少しお話しできました。

 10時開店直後に本会場に着きましたが、すでに小脇に洋書を抱えた人たちが右往左往としていました。今年はフライングがあったのか。
まず、A堂の3冊500円均一で、
ラシルド高橋たか子鈴木晶訳『ヴィーナス氏』(人文書院、80年10月、167円)→意外や持ってなかったのだ。
クレマン・ロセ金井裕訳『現実とその分身―錯覚にかんする試論』(法政大学出版局、89年11月、167円)→難しそうだが面白そう。
E.M.フォースター中野康司訳『アレクサンドリア』(晶文社、90年7月、166円)→美本。三冊のための帳尻合わせ。
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 続いてK書店にて、
高橋邦太郎『日仏の交流―友好三百八十年』(三修社、82年5月、500円)→大きな本。元値7500円もする。函なし。
井手正隆『イタリア文学を歩く』(あざみ書房、00年3月、167円)
増谷文雄『仏教とキリスト教の比較研究』(筑摩叢書、70年4月、167円)
T.J.ゴードン谷口勇訳『アラブとトルバドゥール―イブン・ザイドゥーンの比較文学的研究』(芸立出版、昭和57年8月、166円)→以上3冊で500円。

 その隣のT書店でも3冊500円。古本仲間に下鴨や百万遍では均一棚しか見ないというのがいるが私もそれに近い。
「同時代28 片山敏彦特集」(黒の会、72年10月、166円)
「同時代40 第四十号発行記念」(黒の会、82年7月、167円)→買う前にチェックしたのだがリスト記載漏れのため、重複してしまった。
「同時代41 特集*山崎栄治」(黒の会、83年2月、167円)


 古本仲間と昼食後、ふたたび会場へ。どこか忘れたが200円均一コーナーで、
中村苑子『俳句礼賛―こころに残る名句』(富士見書房、平成13年4月、200円)→新品同様2400円の本が!
三省堂編『書齋と讀書』(三省堂昭和16年12月、200円)→平田禿木、吹田順助、茅野蕭々、日夏耿之介森銑三柴田宵曲ら49名の書物随筆。
中西進『詩をよむ歓び』(麗澤大学出版会、平成19年2月、200円)→こういう素朴な本がいいですね。
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 うろうろしていたら再びK書店の三冊500円コーナーにさしかかり、もう一度見てみると、また見つけてしまいました。
河野仁昭『戦後京都の詩人たち』(「すてっぷ」発行所、00年12月、166円)→別の店で2000円近くついていた。
フリードリッヒ・シュレーゲル江澤譲爾譯『ルチンデ』(春陽堂昭和9年8月、167円)
中平解他『フランス語教養講座Ⅲ―上級フランス語』(河出書房、昭和28年5月、167円)
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 帰り際に、出口近くのH書房で、最近凝っているフランス中世美術の本2冊。
ルイ・ブレイエ辻佐保子訳『ロマネスク美術』(美術出版社、68年10月、500円)
ジャン・ジェンペル飯田喜四郎訳『カテドラルを建てた人びと』(鹿島出版会、昭和50年4月、500円)

 今年も安い本ばかり買ってしまいました。全部で21冊総額4600円、1冊平均219円となりました。


 別の日友人との卓球大会の前に、京都河原町新古書店Bで、
本間千枝子『セピア色の昭和―記憶の断章』(岩波書店、11年3月、200円)→こういうのも読んでいて気持ちがいい。
東雅夫編『文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船』(ちくま文庫、08年8月、500円)
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 オークションでは、
利倉隆『悪魔の美術と物語』(美術出版社、01年7月、300円)
の一冊のみ。