:京都百万遍秋の古本まつり

 昨日は京都百万遍の古本市に行ってまいりました。まず出町柳駅で降りて近くのR書店のバーゲンセールで、景気づけにと買った下記の本が見事にW買い。
田中清光「堀辰雄―魂の旅」(文京書房、78年9月、300円)


 古本まつりの会場智恩寺の手前で、Y書店の棚に引っ掛かり、そこで、
クリスティーヌ・ビュシ=グリュックスマン谷川渥訳『見ることの狂気―バロック美学と眼差しのアルケオロジー』(ありな書房、95年9月、1800円)
を購入。最近読んだバルトルシャイティスの解説でお奨めだったので。

 定刻10時に会場に到着しましたが、本の供養とやらでなかなか開場せず、A堂のビニールの前でまた待機。このA堂では三冊五百円や五百円均一が多数ありたくさん買うことができました。なかでも誰か神話学者らしき人物がお亡くなりになったと見え、その手の洋書が格安で大量に放出されておりました。そこで下記を購入。
ROSALIE L.COLIE『PARADOXIA EPIDEMICA―The Renaissance Tradition of Paradox』(Archon Books、76年、500円)→翻訳が話題になっていたのでとりあえず買っておいた。
J.C.Mardrus訳『Les Mille et une Nuits 1&2』(ROBERT LAFFONT、90年4月、2冊で333円)→待望のマルドリュス訳が格安で。
Léon Verschaeve訳『La Cité d’Or et autres contes―Kathâsaritsâgaraからの物語』(Gallimard、79年10月、167円)→若き日の愛読書「カターサリットサーガラ」の仏抄訳。プレイヤード叢書に入っているが高いので。
Raymond Roussel『la Poussière de Soleils』(Jean-Jacques Pauvert、64年1月、167円)→ルーセルは原語で読まないと魅力は味わえないと思うが果して読んで理解できるか。
Raymond Roussel『l’Étoile au Front』(Jean-Jacques Pauvert、63年10月、167円)
BENJAMIN PÉRET『LA BREBIS GALANTE』(LE TERRAIN VAGUE、59年3月、166円)→著者名はかろうじて聞いた程度。三冊五百円だったので数合わせで。他にもこの人の全集が出ていた。
ジャン・ルーセ斉藤磯雄他訳『フランスバロック期の文学』(筑摩書房、85年5月、167円)
杉本秀太郎『パリの電球』(岩波書店、90年10月、167円)
高木敏雄『増訂 日本神話伝説の研究2』(平凡社、81年3月、166円)→この三冊はいずれも美本。
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 ほかではS書院が私の趣味の本を格安で出していて、
燕石猷譯『英詩撰譯 琱玉集』(河出書房新社、昭和61年11月、500円)→ご存じ日夏耿之介グループの一人。
塚本邦雄『定本 夕暮の諧調』(本阿弥書店、88年11月、300円)
厨川白村『現代抒情詩選』(アルス、大正13年3月、200円)
を購入。
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 次にO堂にて、
『現代詩鑑賞Ⅲ 昭和期』(第二書房、昭和26年2月、300円)→丸山薫、田中冬二、村野四郎、北園克衛、吉田一穂らの詩の鑑賞解説。
比較文学第四十巻」(日本比較文学会、98年3月、400円)→大手拓次ボードレールの比較研究が載っていたので。

 S堂では
『白秋全集23 詩文評論9 鑕 香ひの狩猟者』(岩波書店、86年8月、200円)→香ひの狩猟者がねらい。
浅野建二校注『山家鳥虫歌―近世諸国民謡集』(岩波文庫、84年5月、150円)
の二冊。

 どこか忘れたが、
河盛好蔵『改訂新版 フランス文壇史』(文藝春秋新社、64年6月、200円)
山宮允『詩文研究』(建文館、大正7年11月、1500円)
比較文学第三巻」(日本比較文学会、60年9月、167円)
比較文学第四巻」(日本比較文学会、61年9月、167円)
比較文学第五巻」(日本比較文学会、62年10月、166円)

 となかなかの収穫でした。お昼に古本仲間と落ち合って、近くのラーメン屋で濃い醤油色したラーメンを啜って解散。


 一昨日は、東京から来た古本仲間と大阪の古本屋をまわりました。難波から日本橋堺筋本町のいつもの店、カッパ横丁とたくさん行きましたが、翌日に百万遍が控えていることもありセーブ。
Nブックセンターで、ルバイヤートコレクションの新たな一冊を購入。
尾形敏彦訳『ルバイヤアト―ペルシアの詩』(あぽろん社、昭和59年10月、1000円)

 M書店では、著者名とタイトルのみで中身がよく分からないまま下記を購入しましたが、ロチの住んでいた家を訪ねるなど、楽しそうな旅行記のようで正解。
松尾邦之助『とるこ物語』(竹内書房、昭和22年11月、800円)
さらに次の一冊を買いましたが、恐れていたとおりW買いに!新刊で買って大事に置いておいたら、買ったことを忘れてしまってました。
鶴ヶ谷真一『紙背に微光あり―読書の喜び』(平凡社、11年5月、1400円)
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 ネットではAで格安で下記を購入。これで上のW買いと帳消しになったでしょうか。
伊藤進『怪物のルネサンス』(河出書房新社、98年9月、642円)