:水の都の古本展ほか

 先週、大阪中央公会堂の標記古書市へ行ってまいりました。本の数が少ないうえに、新しい本や絵本、外国の本、写真などが多く、私の趣味には合わないので、あまり買う本もないと半ば諦めておりましたが、何度も本棚を眺めていると見つかるもので、こんな本が出ていたのかという発見がありました。それがこれ。
生田耕作友の会編『イクタコウサク』(騎虎書房、97年12月、2000円)→こんな本が出ていたとは知りませんでした、あまり新刊屋に行かないので。生田耕作の没後3年目を記念して出版されたもので、唐十郎松枝到、鈴木創士、酒井健らが生田氏の人物や翻訳作品に対する思い出を寄せています。金子國義の表紙はもろに○○が描かれていてネットの綱紀に触れるような気もしますが、本の表紙なので問題はないでしょう。

 あと、文庫本であまり見たことのないのを見つけました。
ヴィクトル・ユゴー辻昶訳『東方詩集』(潮文庫、昭和47年12月、300円)→図書館用の堅固な造本がされていていい感じ。
J・M・マリ山室静譯『近代文學の意味』(改造文庫昭和15年4月、500円)
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 他には下記を購入。
『河野愛子歌集』(国文社、78年9月、400円)→塚本邦雄の本で紹介されていて興味が湧いた。
木原孝一『人間の詩学―詩の発見と創造』(飯塚書店、77年5月、300円)


 帰り道、難波のT書房にて、著者がどんな人かも知らないまま、文中に出てくる著者のスケッチの味わいに魅惑されてつい購入。帰ってから中身を見ると、木乃伊の話や、女の髪、薄着や面紗についての考察、ローマ・ギリシアの残滓を見るシシリー島やパリの見聞、アラビアの残滓を見るコルドヴァ、セヴィリアの見聞記など面白そうな内容です。
太田三郎『美と善の歓喜』(崇文堂、昭和17年9月、1500円)
写真のスケッチは、「多産の女神」という文章の説明として描かれているもの。

 別の日、大阪へ2回ほど出かける用事があり、いつものT書店2店で、下記を購入。
高田博厚『フランスから』(みすず書房、50年5月、200円)
私市保彦『ネモ船長と青ひげ』(晶文社、78年6月、780円)
大形徹『魂のありか―古代中国の霊魂観』(角川選書、平成12年6月、580円)
野崎歓谷崎潤一郎と異国の言語』(人文書院、03年6月、280円)
高橋英夫『音楽が聞える―詩人たちの楽興のとき』(筑摩書房、07年11月、980円)
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 一昨日、難波のYブックスで何冊か買いましたが、まだ整理できてないので次回報告に。