:矢野峰人譯詩集『志るえっと』、花崎采琰訳『中国詞選 花譜』

 先日、オークションで矢野峰人譯詩集が出品されているのを見つけ、スタート価格が6000円とすでに高いものでしたが、どうせまた負けるだろうと思い切って入札したところ、誰も競争相手が現れずすんなりと落札してしまいました。嬉しいやら恐ろしいやら。「高い本でも買う」と宣言した割には小心者の地が出てしまいました。

 ところが本を手にしてあまりの素晴らしさに6000円も惜しくないと感じるに至りました。
矢野峰人譯詩集『志るえっと』(學藝社、昭和8年9月、6000円)→齋藤昌三装幀、500部限定115番。
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装幀も中身もともに大変満足。ローデンバック、ポー、ダウスン、ブレイク、シモンズ、レルベルグなどの詩が訳されています。写真の詩はフィオナ・マクラオドの「月の出汐」

同じ出品者で下記の本も購入。
花崎采琰訳『中国詞選 花譜』(『春花詞』『秋花詞』の二冊が帙に包まれている)(大雅洞、昭和36年7月、1000円)→175部限定143番
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日夏耿之介の雑誌「古酒」のメンバー。この本も造本、挿絵、印刷具合、文字の並び方いずれもすばらしく1000円はあまりにも安い(と自慢)。写真は『春花詞』の冒頭「梅」の挿絵、和訳、原詩のページ。

別の出品者より
ヘシオドス廣川洋一訳『神統記』(岩波文庫、84年1月、100円)
これは送料と手数料の方が高かった。

高い本を落札したので、安い本を買って平均を下げようと画策、大江橋のいつものT書店の150円均一を物色しました。あまりに安いのでどんどん買ってしまいました。
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松本謙治『古書の見方・買い方―収集のポイントと利殖の秘訣』(東洋経済新報社、昭和49年8月、150円)→立原道造の蔵書目録、堀口大学の著作目録が出ている。
萩原朔太郎『青猫』(ほるぷ、昭和59年10月、150円)
石田憲次『英文學風土記』(研究社出版、昭和47年2月、150円)
清水孝純『西洋文学への招待―中世の幻想と笑い』(九州大学出版会、82年7月、150円)
奥井潔訳『D・H・ロレンス紀行・評論選集2 エトルリアの故地』(南雲堂、昭和62年7月、150円)