:ポルトガルの奇怪な図像

 5月の末から6月上旬にかけてポルトガルへ行ってきました。
その時に見た不思議な彫り物や図柄をご紹介します。
まずは建物の壁に飾られた彫り物から。

 これはシントラのペーナの宮殿の本殿入口の上にあった彫り物です。入場する人を威嚇するかのような奇怪な姿です。ペーナの宮殿は入り組んだ構造で、それぞれアラブや中国など特徴を持った部屋がいくつもあり、外壁沿いにも廻廊が張りめぐらされて、造った人の遊び心が感じられました。



 これらはリスボンジェロニモ修道院の中庭にあった彫り物です。変な顔をしたガーゴイル、口から草状のものを吐き出しているグロテスク模様風の顔、隅っこが紙のようにぺらぺらした顔、もうひとつこれ以上考えられないような暗鬱な顔が印象的でしたが写りが悪いので割愛しました。

 もうひとつの彫り物は、コインブラの新カテドラルの壁面の飾り。分かりにくいですが、鳥(ドラゴンか?)のような形の動物の羽が広がってアカンサス模様になっています。

 今回はあちこちでグロテスク文様を見ました。

 これはシントラの王宮にあったキャビネットに彫られたもの。口から草が生えて拡がっています。


 このふたつはいずれもリスボンのグルベンキアン美術館で見たもの。ペルシアの古い時代の絨緞とどこのか忘れましたが比較的新しいお皿です。




 これは愛嬌のある空想動物が描かれていたので撮りました。


 絵画もボッシュの「聖アントニウスの誘惑」(リスボン国立古美術館)やユベール・ロベールの廃墟画をたくさん見ることができました。「聖アントニウスの誘惑」というタイトルで別の画家の作品がありました。右側に変な動物が描かれています。

 ポルトガル語は読めもしないのに、なぜか古本屋があるとわくわくしてつい中を覗いてしまいます。リスボンではバイシャシアードからサンロケ教会の辺り一帯にたくさん古本屋がありました。



 ポルトの広場で本の市が開かれていて、なかに古本の屋台も出ていました。ジュール・ヴェルヌポルトガル語版全集がありましたが、当然買っておりません。