:時たま聴く曲〜アラビアンテイスト西洋音楽

  
 昔から、小泉文夫さんの影響もあって、民族音楽をたまに聴いていますが、完全な民族音楽よりも、西洋音楽が異国情緒として取り入れたものに、より魅力を感じます。何となくこの感性に後ろめたさを感じてしまいますが、最近では、民族音楽側から進んで西洋音楽と融合しようという演奏家が若い世代に増えているようで、単純な図式におさまりきらないものがあります。

写真のアルバムは、中近東の演奏家がヨーロッパのクラシック、ポップスの音楽人と一緒になって音楽を作っているという感じのするものです。

1枚目は、クロード・シャルフー『グノシェンヌ―オリエンタル・イメージ』で、CDショップで見つけたもの。グノシェンヌ(サティ)以外は、ベイルートのヴァイオリニスト、シャルフーが作曲した曲。昔風に言えば、アラビアン・プログレッシブ・ロックということになるでしょうか。読経のような物悲しげなアダージョが連綿と続きます。

ジェーン・バーキンアラベスク』もタイトルどおりシャンソンを中近東風にアレンジした曲のオンパレード、なかでも「エルザ」はアダージョの導入部が神秘的でシャルフーと通じるものがあります。

アントネッラ・ルッジェーロ『サクラモニア・ライブ』は「ミュージックマガジン」の地中海音楽特集号の記事で面白そうだったので購入。先の2枚に比べると全般に西洋的な曲想の多い中で、6曲目「la danza」は秀逸。伴奏のリズムとヴァイオリンの織りなすオリエンタル風な即興的楽想に高音の歌声が絡んできて何とももいえない境地に連れて行かれます。